概要
そのまなざしは祈りか、乞いか。
水面に坐す磐座を祀る海村、潮見にて。
若い漁夫の左慈は不眠を患い、度々夜の浜辺を彷徨っていたところ、得体の知れない幽玄な女と出会った。左慈は女をウシオと呼び、眠れない夜と孤独を埋めるように彼女との逢瀬を重ねていく。
これは異形に恋した孤独な青年の救いの物語。若しくは、人に焦がれてしまった欲深い彼女の罪の物語。
若い漁夫の左慈は不眠を患い、度々夜の浜辺を彷徨っていたところ、得体の知れない幽玄な女と出会った。左慈は女をウシオと呼び、眠れない夜と孤独を埋めるように彼女との逢瀬を重ねていく。
これは異形に恋した孤独な青年の救いの物語。若しくは、人に焦がれてしまった欲深い彼女の罪の物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!決して日の光の下に照らされることのなかった逢瀬
とある海辺の村、左慈は不眠に悩まされて夜な夜なさまよっているところ、不思議な女に出会う。
夜の逢瀬を重ねるうちにひかれあう二人。
けれどもそれはあまりにひとときの安らぎ。決して交われぬ二人の結末とは。
改稿版二周目。
以前に読んだときより一層胸苦しく、追い詰められていく左慈の気持ちが伝わって胸が痛いです。
昔の日本にはプライバシーの概念がなかったと聞きますが、共同体の中でどうしても馴染み切れない人、無理をし続けている人の居場所はどこだったのかなと思っていたので、この作品はそれを描いてくれている気がしました。
狭い村や家の中で居心地悪い思いをしている左慈ですが、決して家族や村人から虐げられて…続きを読む