読み進めるほど、「ただのダークファンタジーじゃない」と感じました。戦争や怪奇の迫力もすごいのに、それ以上に胸に残るのは、死人たち一人ひとりの心の声です。存在を否定され、それでも誰かと繋がろうとする姿が、とても人間らしくて切ない。
重いテーマなのに、仲間同士の会話や小さな優しさがちゃんと息抜きになっていて、気づくと深く引き込まれます。世界観は濃密ですが、感情の描写が丁寧なので読みやすいです。戦場の緊張感や異能バトルのスリルも見どころですが、絶望の中でこそ垣間見えるユーモアや、グーニーの癒しに心が和みます。
シリアスな物語が好きな人、キャラの心の葛藤を大切に描く作品が好きな人、群像劇や哲学的なテーマに惹かれる読者に、ぜひ読んでほしい作品だと思います。
近代欧州に近似した、黒、白、黄、緑、銀……といった国々がひしめく世界は戦争状態にあった。物語はリディンハルト総団長率いる黒の国・死人旅団に焦点を当てて語られる。「死人」とは死者を蘇生させた兵士であるが、普通の人間と変わらない人格を有している。だが二度以上蘇生させると、悪魔化してしまうというリスクがある。
ヒロインは17歳前後の少女で、アイドル、預言者、そして死人兵でもあった。仲間思いな性格で、仲間達からも愛されている。
物語が進むにつれ、難易度の高いミッションになる上に、彼女が属している隊伍の内部には、サイコパスな兵士、悪魔化した兵士を抱えており、アットホームな小隊の隊員たちは次第に疑心暗鬼になってゆく……
映画「プラトーン」「フルメタルジャケット」といった戦記物、それに「モンスター・バタリオン」のようなホラー要素が加わって楽しめました。
かなり独特の世界観をもったファンタジー戦争ドラマでございます。
この世界では、『死人』という身分があります。
これは単に死者を意味するものではなく、死から蘇った者たちのことを表すんですね。
ゾンビというよりも、蘇生魔法への適性がある者が生き返えさせられたというイメージです。
死から蘇ると、ほとんどの記憶を失う代わりに、超能力のような力を得られるんですが、そのせいで軍事利用されちゃうんですね。
人権とかないです。兵器扱いですね。強制的に戦わせられます。
そんな身分から、唯一、抜け出す方法が、リターンチャンスと呼ばれる制度で、これは自分を殺した相手を殺し返すことで果たされるんです。
つまり、死人によって結成された戦闘部隊とは、自分を殺した相手に復讐したい者たちの集まり、というわけで。
この物語はそんな訳ありキャラばっかりが集められた部隊が主人公となります。
彼ら一人ひとりに復讐すべき相手がおり、それぞれがリターンチャンスという目的を持ち、苦悩や葛藤を抱えて戦い続けるんです。
戦友同士の友情や、ときとして恋も生まれ、また戦場故に当然、別れもやってくる。
これはそんな部隊を巡る戦争ドラマの物語です。
こんな方にオススメ
:オリジナリティあふれるファンタジー世界での戦争ドラマが見たい方
ミリタリーものって読んだことない……
なんだか、難しそう……?
そんな予想を裏切り、1ページ目から夢中になります!
確実に当たる予言をする少女
死人が蘇る戦場
現れる怪奇に、深まる謎!
設定がとても細かく作られていて、ワクワクします!
ミリタリー好きな男性読者はもちろん、女性読者にもオススメです
なぜなら、主人公のリディエンハルトがかっこよすぎる!!
死人旅団の総団長、自分も死人なのに部下の復活を望む器の広さ、口は悪いけど時たま見える優しさにきゅんとします
そして、めちゃくちゃ強い〜〜!
彼の戦場での活躍がかっこよすぎるんです!
リディエンハルトの相棒は、これまた最強キャラの副団長
彼らの軽口の叩き合いも、にやりとできる要素です
かっこいい男性キャラ、相棒とのやりとりが好きな方、
そしてもちろん、ミリタリー好きの方にオススメの作品です!
バトル!
特殊能力!
ミステリー!
あと可愛い女の子!
これらのうちのひとつでも好きな方なら、絶対にハマること請け合い!
なのにこれ全部詰めちゃって、作者さま大丈夫ですか?(笑)
とにかくバトルが臨場感アリアリでカッコいいし、ノエ(上記の可愛い女の子のことです!)の能力が、「誰も覆せない予言」というのもおもしろい。
おまけに主人公のリディエンハルトが彼女に言われてしまうんです、「あなたはあたしまで殺したのよ!」と。
えぇっ⁉ これからいったいなにが起きるの? ほんとに阻止できない予言なの⁉ と、こっちは呆然……。
まったく目が離せない死人旅団の物語、ぜひオススメします!