概要
「謝れ」。そう言ったきり、彼女は遠いところへ行ってしまった
自然豊かな高校の食堂のウッドデッキの楡の葉陰で、未融(みゆ)の親友の瑠璃(るり)は「こってりソースバーガー」を食べていた。
その瑠璃が先生に呼び出され、カナダへの留学が決まった、と告げられる。すなおにその決定を喜ぶ未融に、瑠璃は「未融が留学を勧めてくれたから」と言う。ところが、未融にはそれを言った覚えがない。どうやら未融の冗談を真に受けたらしいのだが。
高校から大学へ、揺れ動く時期の少女たちの出会いと別れの物語。
(2020年執筆)
その瑠璃が先生に呼び出され、カナダへの留学が決まった、と告げられる。すなおにその決定を喜ぶ未融に、瑠璃は「未融が留学を勧めてくれたから」と言う。ところが、未融にはそれを言った覚えがない。どうやら未融の冗談を真に受けたらしいのだが。
高校から大学へ、揺れ動く時期の少女たちの出会いと別れの物語。
(2020年執筆)
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!友情の中に微かな淫靡さが混じる、繊細な百合小説
この小説のジャンルをあえて決めるとすれば、百合小説ということにはなるのだろう。主たるカタルシスは女の子同士の関係性にあり、そしてその関係は、純粋な友情と呼ぶにはいささか淫靡な匂いが漂う。
しかしその関係はあまりに繊細で、「女の子同士がイチャイチャしてるのを見たい」という明快なニーズには応えられないかもしれない。
とはいえ、私が尊さを感じるのは、男女の関係にも男性同士の関係にもない、女性同士の微妙な距離感にある。友情の中に微かな淫靡さが混じる、その瞬間にある。そうしたシチュエーションに魅力を感じる同好の志にお薦めしたい。
もう一点、私が感銘を受けたのは、大きな事件の起こらない日常的な題材を…続きを読む