第2話 魔改造前の方が強いんですが
この世界の〈剣〉──巨大人型ロボットには装甲に魔力を散らす特性を持つ鉱石が含まれているため、魔法が効きにくい。
物理攻撃では一撃で装甲を突破できるのに対して、魔法だと百発は撃たなければ突破できない。
当たり前であるが実戦となれば魔法を撃っている間に物理攻撃で沈められる。
そのため基本的にこの世界での戦闘は物理攻撃──近接武器を使った攻撃に限られる。
無論俺も例外ではなく、戦闘行為は物理攻撃──近接武器によって行うことになる。
〈魔剣〉二体と対面すると背中にある刀身がロボットと同じ大きさの長剣──物干し竿を引き抜くと〈魔剣〉二体に対して剣技を放つ。
三つの斬撃が繰り出されると思うと倍に増え、合計六つの斬撃が〈魔剣〉二体に放たれた。
二体は斬撃に反応して素早く回避行動に移るが、回避先にある斬撃に捉われ、真二つに裂かれる。
「倍になってね?」
確かゲームでは三つしか斬撃が出ない剣技のはずだったが、魔改造前のダウングレードしているはずの今の状態で使ったら倍の六つ斬撃が出た。
魔改造前の方が強くないかこいつ。
『助かった、ルーク。レーネ様が予見した破滅の運命を我々に押し付けたかと思ったがどうやら私が間違っていたようだ』
スレイヴのことを不思議に思っていると父のバトラーが近づいてきて、平静に戻った声で告げてくる。
主人であるレーネから託された予言が破られ、錯乱していたのでよかった。
二体の大将格を取ったので、あとは統率を失ったモンスターと魔剣隊を個々で始末するだけだ。
「立ち直ってくれて幸いです父上。残党を一掃しましょう」
『迷惑を掛けたな……。行くか。敵は不気味なほどに動いていないな』
バトラーと共に残党狩りに向かおうと思うとモンスターと魔剣隊が制止しているのが見えた。
これはヒロインの歌──アイドルバスターの効果だ。
耳を澄ますと燃える音と共に、かすかに歌が聞こえる。
前日譚でヒロインの領地が魔王軍に襲撃される話があるのだが、どうやらこちらの襲撃イベントと同時期に起こっていたようだ。
後からコンタクトを取ろうと思っていたが、今余裕がある状態であちらの救援に当たらないのはイベント終了後にヒロインの母であるレーネが死ぬ都合上小さくない軋轢を生みそうなので、前倒しで今会いに行った方が良さそうだ。
「父上、レーネ様たちの元に救援に向かいます。領地のことをお願いします」
『何を言っている!? 待てルーク!』
説明をする暇も惜しいので一言置くと、身動きの取れない残党を狩りつつヒロインの領地へダッシュで向かう。
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