第33話 戦地へゴー



「皆さん、お集まりいただきありがとうございます」


 アイリスが馬車の中でにこやかに言う。


「いえいえこちらこそ! まさかバカンスに連れて行ってくださるなんて!」


「ええ、行軍バカンスは退屈させないものになるでしょう」


「おお!」


 アイリスの言葉に俄かにグイン達が色めき出す。


 ──戦地到着。


『落ちろ! 俗物!』


『グアアアアア!!』


「「……」」


 毎秒ペースで敵味方関係なしに剣が落ちていくのを見て二人が絶句する。


「ここって最前線じゃ……」


「後学のために見学するのには向いてない気が……」


『来たか。私の手足となって戦うがよい』


 二人が絶句するとアイリスの母のレーネが参戦するように催促してきた。


  ────


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