第26話 やはり魔改造
「よ! アイリス! 今日は帰りに飯屋に行こうぜ!」
「ごめんなさい。私外食は取らない主義なの。先約があるから。ねえルーク」
男主人公──グインが気易い感じでアイリスをデートに誘おうとするとアイリスが俺の方を見つつきっぱり断る。
そんな先約はない。
ここに来てからアイリスの食事は執事の俺が作っているが、約束ではなく、主人の快適な環境を形作るのが俺の仕事だからだ。
無論、アイリスが必要ないと言えば作らないし、もし急に約束ができて食べない場合も作ったものは捨てるだけの話で、本来アイリスがこんなことを気にする必要ない。
そんな風に運命の相手との約束を反故にしてまで優先するものではないのだ。
無論、アイリスの機嫌が悪くなるのは破滅につながるので、表立て否定はしないが。
「ええ、その通りです。お嬢様。すいません。グイン様。お嬢様の食事を私が作るようにしてまして」
「あ〜、そうなんだ。じゃあまあこの話は無しで」
俺が断りを入れると凄まじい速度でグインが退場していく。
切り込みと軟派すぎる態度がダメだったのもあるが、アイリスの俺のことを優先すぎるのもダメだったな。
前者については改良の余地有りだが、後者をどうにかしようとすると俺にデスペナルティが発生する可能性もあるため下手にいじるのはダメ。
やはりグインに全面的に頑張ってもらうしかないな。
一応ゲームではルート攻略がうまくいかないと周りのNPCとコミュというイベントを進めて攻略のヒントをもらうため、今のところ目ぼしいモブとしては俺しかいないため間違いなくこちらに来るだろうが、この世界ではゲームシステムなど採用されていないのでワンチャンこのまま来ない可能性もある。
こちらから行くしかないかやっぱり。
──
「放課後ぶりです。グイン様」
「ルークさん。珍しいですね。夜の街を歩いてるなんて」
「私も茶会で腕を振るうことになりまして。そろそろ用意をせねばと仕事の合間に良さそうな店を巡っているんです。グイン様もお嬢様のためにご準備をされているんですかな?」
「そうなんですよ。全然お茶とか詳しくないからちょっと大変で」
「茶の道は1日にしてはならずというほど奥の深いものですから。よろしければお手伝いしましょうか?」
「え、本当ですか。執事のルークさんならアイリスの好みなんでも知ってそうですし百人力ですよ。ぜひお願いします」
食いついてきてくれたので魔改造を始めるか。
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