第27話 ハーブしかない




 グインの魔改造を始めた。

 アイリスの好みは礼儀作法の完璧ないざとなった時に頼りになる男だ。

 グインはすでに戦う人間なので、頼りになる男はクリアと言ってもいい。

 問題は礼儀作法だ。

 一応身には着いているが相性が悪いのか、まだ形だけで様にならないのだ。

 別に礼儀作法とかに一家言ない人間であればこれで気にならない程度であるのだが、アイリスには厳しいだろ。

 この世界のアイリスは本来なら死んでいるはずの親のレーネから厳しめに教育を受けているからな。

 ゲームの方ならば戦いの要である戦姫であるアイリスに優しくすることはあれども厳しくすることはなかったので、礼儀作法もアイリス自体が最低限しか知らないこともあり、並の貴族ほどできれば良かったが、今のアイリスはガッチリ格式高い貴族レベルを理想のラインとしている。

 グインをグロッキーになるレベルで練習を反復させれば得手不得手でムラができるが全体で見ればギリ及第点くらいには体に馴染ませられそうだが。

 そんな酷使したら鬼教官とかイメージが着いて、目の敵にされそうだからな。

 それは避けたい。

 あまり使いたくはなかったがハーブを使ってハイになってもらうか。


「もう動けねえ……。マジで」


「どうぞ」


「何ですかこれ? なんか変わった匂いがするんですけど」


「一部のお嬢様方に人気のハーブティーです。リラックス効果あるので是非」


「はあ」


 グインはゴクゴクとラッパ飲みすると目を白黒させる。


「確かに気分が良くなって、疲れが消えましたね。いくらでもできる気がします」


 ハーブがガッチリキマったようでグインはフラフラの状態から一点、エネルギッシュな感じで立ち上がる。

 いい感じだな。

 中毒になる前に完成できれば幸いだ。



  ────


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