第21話 略奪行為とみなし抹殺します



「どうぞ、こちら申請用紙になります」


「助かるよ! ルークさん! さっき行ったけどもう用紙がないってことで断られたんだ」


「ラッキー!」


 茶会の場所申請の紙は手書きで複製して作るのが大変だからか、人気の場所の数×開催日数分──十四枚しか用意してない。

 そのため紙の数は十四枚に対して生徒の数は三百人で取り合いになるため、入手難度が非常に高い。

 ゲームでも申請用紙獲得の際に発生する生徒たちとのレースが発生し、ミニゲームだというのにプレイヤーたちの精神を削るほどのものだった。

 まあ入手難度が高い分、キャラの好みの場所を選べれば好感度はそれだけでも爆増するので見返りも大きいのだが。

 ちなみに主人公たちに渡す申請用紙にはアイリスにクリティカルヒットする『紅の薔薇園』とすでに書き込んである。


「お節介と思っていたのですがちょうどよかったようで……申し訳ありません。書く際に用紙をインクを貫通してしまったようで場所の欄に『紅の薔薇園』と」


「ああ別に構わないよ。どこにしたらいいかわからなかったし。その道のエキスパートのルークさんが選んだところならまちがいないからな。じゃあもら……引っ張ってるのにぴっくりとも用紙が動かねえ!?」


「カチカチなんだけど!」


「ちなみにお二人は誰を誘うつもりなんですか?」


「いやそれはまだちょっと……」


「あたしもそれはねえ……」


 男主人公は女主人公をチラリ、女主人公はアイリスをチラリしながらそう答えた。

 男主人公についてはやはり女主人公に行くつもりか。

 これはまずい。

 誘導をかけるか。


「ふむまだ決めていないのでしたら、この薔薇園に似合う赤髪の方はどうでしょうか?」


「「赤髪……」」


 アイリスの方に二人の目が行く。


「流石に俺なんかが恐れ多いよ」


「女のあたしが誘うのもドン引きされそうだし」


「お嬢様は大丈夫だとは思いますが」


「ええ、ルークはダメですが。私なら全くもって大丈夫ですよ」


「ルークさんはダメなんですか?」


「ダメです。ルークは私の所有物ですので、誘おうものなら略奪行為とみなし、私の持てる全てを使いその者を抹殺します」


 女主人公が尋ねると俺の腕を抱いてアイリスが抹殺宣言をする。


「ルークさんにお茶ご馳走してもらおうかと思ったけどダメみたいね。じゃあグインでいいや」


「グインでいいやってなんだよ。まあアイリスさんがいいって言うなら遠慮せずアイリスさん誘うか」


 男主人公はいい方向に行ったが、女主人公が男主人公の方に行ってしまったな。

 これはまずい。

 男主人公と女主人公の『ティーパーティー』はなんとしても阻止しなければならない。


   ───


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