第22話 他の女の子とイチャイチャするのは避けて欲しいんですけど
「はあ、まさかNGなんて」
「しょうがないだろ。切り替えろよ」
「あんたはいいわね。隠れファンクラブも出来てる学園のアイドルとお茶会セッティングできたんだから」
帰り道、女主人公──エインが愚痴ると男主人公──グインが慰めにならない解決案を言い、エインがため息を吐く。
「じゃあまた明日ね」
「おう! また明日な!」
男子寮と女子寮の分かれ道に差し掛かかり、エインはグインと別れるとまた一人今回のことを思い出し、悶々とし始めた。
NGを出されたことで、余計にルークのことが気になってしまっている。
どうしても他の男子と違い、落ち着いた大人の雰囲気が漂う彼のことが知りたいという願望が止めどなく溢れてきていた。
「エイン様。こんばんわ」
「あ!? ルークさん。どうしてここに?」
「もうすぐお嬢様のお気に入りの茶葉を切らしてしまうのでその補給に向かう途中です」
「そうなんですか」
そんなことを考えていると想像していた当の本人から声をかけられ、ドキマギしながら応える。
「先ほどは申し訳ありません。私の茶をお飲みになりたいと仰って頂けたのを断るようになってしまい。それの代わりと言ったらなんですが、よろしければ後日個人的にお茶をご馳走したいのですがいかがでしょうか?」
「え、本当ですか! 行きます! 行きます!」
詫びという形ではあるがまさかの向こうから誘いの言葉がかかり、エインは飛び乗った。
向こうから誘われる分にはアイリスから何も言われていないので、問題はない。
全てうまく行き始めたことにエインは内心でガッツポーズをとった。
──
藍色の髪に、金色の大きな瞳。
最近肢体もますます豊満になってきており、幼馴染で近くで接してきているグインにもこの頃のエインが殊更魅力的に見えていた。
「あいつとは気が合うしな。今回ので一気に距離詰めてワンチャン」
「あら、グイン。さっきぶりですね」
そう展望を抱いていると、どこか甘い雰囲気のある学園のアイドル──アイリスとばったりあった。
「あなたとティーパーティーをできるなんて本当に嬉しいですわ」
アイリスは普段とは違い、艶やかな笑みを浮かべて身を寄せてくる。
豊満な胸が腕に当たり、グインの頭と下腹部が熱くなった。
「それってどういう──」
「どうもこうもありませんわ。賢いあなたならお分かりでしょう?」
「アイリスが俺を。夢みたいだ」
アイリスが射程圏内にあるとは悟った瞬間にグインの中でエインの存在が消えた。
幼馴染と雲の上の学園のアイドルでは勝負にもならなかった。
「わたし身持ちは固いんです。他の女の子──エインとイチャイチャするのは避けてほしいんですけど」
「ああ、当たり前だろ! 俺はアイリス一筋だよ!」
不安そうな顔をするアイリスにいじらしいものを感じたグインは使命感とともにそう断言する。
アイリスはまた艶やかな笑みを浮かべ、グインの目には彼女しか見えなくなった。
「ありがとうございます。グイン。ティーパーティー楽しみにしてますわね」
「ああ、任せておいてくれよ! 最高のものにするから」
グインが力強く応えるとアイリスは戦姫の力なのかその場から夕闇の中に消えた。
───
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