『「グラディウスの誓い」についてはレーネ様よりお前が管理するようにと指示があった』

「はあ、アイリス様ではなく、私ですか？」

『私もできれば戦姫であられるレーネ様か、アイリス様が持つのが良いと思ったのだが。レーネ様の予言の結果お前が持つのが一番良い未来になるということだ。適切に管理し、使用しろ。敵に渡りそうになった場合は不壊アイテムのため、隠すように』

「承知しました。父上。恙く管理致します」

　──

「これか」

　報告があった翌朝、学園によこされた手の者から受け取った『グラディウスの誓い』の現物を箱から取り出して確認する。

　ヴィンセントが身につけているものだとはわかっていたが、あいつは装飾物をじゃらじゃらつけていたから特定できなかったが首飾りか。

　特に場によって身につけることに制限がかかるものではないのは幸いだ。

　こいつをつけている内はほぼ全ての暗殺を無効化することができる。

　今つけるとするならば、新当主として名乗りを上げて、付け込もうとしてくる輩が現れる時期にあるヴィクトリアが最適だろう。

　ひとまずは方針は決まったし、そろそろ朝の仕事を再開するか。

　もうすぐアイリスも起きてくるし。

　　　　───

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