第17話 私は〈剣〉のみでしか殺せん


「貴様、暗殺一家風情がなぜ私の部屋にいる?」


「当主交代に際し、前当主様を始末しに来たからです」


「なにぃっ!?」


 部屋の扉に魔道具でも仕込んでいたのか、ヴィクトルの父──ヴィンセントが起き上がると驚愕した声を上げる。


「私を殺そうだと! ふざけたことを! 愚娘が! やはり女など生まれた時点で処分しておくべきだった! あれだけ躾てやったのになにも理解できんゴミが!」


 ヴィンセントは怒りに鼻息を荒くすると、壁に飾られていた大剣を持ち出してこちらに駆けてきた。

 糸を飛ばしてバラバラにしようと思うと、確かに切断したはずだが何かに弾かれる音と共にヴィンセントは大剣を振り下ろしてきたので避ける。


「魔道具か」


「そうだ! 私は原初魔道具の一つである『グラディウスの誓い』を持っている! 私は〈剣〉のみでしか殺せん! 扉は塞がせてもらった! 一欠片でも私を殺せると思った思い上がり、後悔して逝け!」


 原初魔道具。

 国に一つ埋まっていればいいと言われるほど希少で、途方もない力を持った太古の魔道具だ。

 こいつは終盤で〈剣〉で倒すのでそんなものを持っているとは知らなかったな。

 わざわざネタバラシしてくれたおかげで助かった。


「〈剣〉ですか」


「そうだ! この部屋から出られん貴様はもはや死ぬ以外に道はない!」


「ならばどうにかなりますね」


「ハハハハハ! 見苦しい奴よ! 勝ち目がなくなった奴の強がりなど滑稽なだけだ!」


「では、さようなら」


「え? ぎゃあああああああ!!」


 遠隔操作したファントムの拳を屋敷の上から振り下ろして、ヴィンセントを潰した。

 これで依頼達成だ。


     ───


続きを書くモチベになるので、是非とも星⭐︎⭐︎⭐︎、フォローお願いします!

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る