第10話 執事の朝は早い
執事の朝は早い。
主人の起きる一分前に起床し、身体強化を全開にして、一分以内に着替え、朝食、主人の朝食の調理を済ませる必要がある。
身体強化の練度が低いと睡眠時間を削ってコンディションを悪くするか、最悪主人を待たせることになり、執事としての命と言っても相違ない品性を損なうことになるため、身体強化の熟達──魔法をマスターすることは執事にとってかなり重要なことだ。
そのため魔法に耐性のある〈剣〉が出てきてからは廃れて、ゲームでもほとんど利用することがなかったものだが、執事教育を受けた俺も魔法には熟達している。
起きて、定刻になると俺の脳を覚醒するようにセットした魔導術式を解除し、身体強化を全開にして着替え、朝食、アイリス専用の朝食の調理を一瞬で終わらせ、モーニングコールをかける。
「お嬢様。お起き下さい」
「うーん、眠い……」
「お嬢様。朝です。お起き下さい」
「うーん……」
再び眠りに着きかけたアイリスを2度目のモーニングコールで意識を繋ぎ止めると、浮遊魔法で洗面所に高速移動させて洗顔し、歯を磨く。
「目が覚めたわ」
さっぱりしたアイリスをそのまま空中で浮かしたまま制服を糸で操作して着せると、椅子に下ろし、朝食を机に乗せる。
初めてバトラーがこれをレーネにやっているところを目撃した時はあまりに超次元すぎる光景にびっくりしたものだ。
「今日の予定は?」
「学園の庭園でグループを組んで〈剣〉を使ったオリエンテーションを行い。放課後に、本家のレーネ様への報告をすることが予定となっています」
「グループは二人?」
「四人です」
「そう。ルークと二人ならよかったのに……」
「私もお嬢様と二人ならよかったのですが」
「ルーク……」
朝食のカットフルーツを食べながら物憂げに呟いたので、すかさず肯定する。
若干アイリスの顔色に朱が刺すと、上機嫌そうに食事を再開した。
朝一番のゴマスリがいい感じに入ったようだ。
今日は幸先がいいな。
───
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