概要
……ひねりこ、ひねりこ、ひねりこやあ
僕、飯田太朗は高校時代の恩師、時曽根先生に導かれ岩手県は遠野、隼峯村へと向かう。何でも先生の家の遺産相続問題があるらしい。田舎の寒村に似つかわしくない巨大な西洋館、それこそが先生の生家だそうだ。
僕はここに十日間泊まることになる。果たして財産の所有者、時曽根家の家長、時曽根宗一郎が死する時、彼は唄った。
「ひねりこ、ひねりこ、ひねりこやあ」
それは村の産婆が死産だった場合に唄う歌だった。
そのことをきっかけに、時曽根家に集結していた一族の、幼子たちに異変が……?
僕はここに十日間泊まることになる。果たして財産の所有者、時曽根家の家長、時曽根宗一郎が死する時、彼は唄った。
「ひねりこ、ひねりこ、ひねりこやあ」
それは村の産婆が死産だった場合に唄う歌だった。
そのことをきっかけに、時曽根家に集結していた一族の、幼子たちに異変が……?
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!閉鎖的な田舎の旧家の莫大な遺産相続争い、令和になっても事件が起きる。
閉鎖的な田舎、それも警察がすぐに駆けつけられないような隔絶された寒村。
村を見下ろすようにどんと構えた巨大な洋館。
そんな洋館に負けないような莫大な資産を抱える古い一族。
産婆を生業にしていたという一族にまつわる古いしきたり。
それから、あの遠野地方。
家を出た一族の長男の憂鬱な帰還。
――因習村のホラーが始まりそうな舞台で、年老いた当主の死を発端に起こったのは、怪異ではなく凄惨な連続殺人事件。
隔絶された寒村で起きる、由緒ある一族の遺産を巡る殺人事件。
王道ですが、令和でもまったく違和感なく古臭く感じさせない面白さ!!それが、本作の魅力だと思います!!
当主の屈折した性格がにじみ出る遺…続きを読む - ★★★ Excellent!!!古い洋館、遺産相続争い、座敷童の伝説……これで何も起きないはずがなく
いやーーーーーー面白かった!!隅から隅まで楽しませていただきました!
これから読む人は、自力で推理しながら物語を追っていくことをお勧めします。
しっかり手がかりを拾って推理すれば、きっちり真相に辿り着くことができますよ!
まず、古い洋館という舞台が最高に良い。ひたすら広いし、いろんな設備があって、何らかのトリックを行うにも最適の場と言えましょう。
重厚な空気感が肌に触れるような描写も素晴らしいです。この家に伝わるという、助産師の技や歴史がまた闇深い。
そんな家の当主の遺産を巡って一族が集結するわけですので、そりゃあもう大変な何かが起きるだろうと予想できるわけですが、予想以上に凄かった。
遠…続きを読む