速水の独白の部分の表現が秀逸。書き留めておきたいくらい面白い。もうそれだけで十分に惹きつけられるのに、ちゃんと本格ミステリの体を成しているのがすごい。
読書好き、ミステリー好きなキャラはえてして陰キャに括られるものだが、このお話の主人公、速水も例に違わず陰キャを自覚している。
だが、同じ陰キャでも彼はそこいらのツッコミ役の漫才師よりももっと気の利いた台詞を次々に繰り出して、ストーリーを華麗に彩る。
この小説を見つけたあなたは幸運です。
読んだらきっとハッピーな気分になり、私同様、主人公速水のファンになることと思います。
全ての年代の方にオススメしたい逸品です♪
この作品は、本格推理だと思います。ちゃんと犯行方法と犯人が分かるような伏線があり、よく読めばそれらは分かると思います。ちなみに私はちゃんと読みましたが、どちらも分かりませんでした。orz
別に誹謗中傷するつもりはないんですが、カクヨムには少ないんですよ。本格推理は。まあカクヨムでは『ミステリー』というジャンルはあるんですが、その内容も色々ありまして、これはミステリーじゃないなという作品もチラホラ……。まあ、『ミステリー』という定義も難しいとは思うんですが。
とにかくこの作品は、久しぶりに読んだ本格推理でした。そしてとても、満足させていただきました。また高校生がこのような本格推理を書いていることを、嬉しく思います。本格推理の将来は、明るいと。
とにかく今までの『ミステリー』が物足りなった皆さん、この作品を読みましょう!
作者自身を投影しているかもしれない主人公の、放課後を主とした学生生活が生き生きと描かれていて、中でも美少女との交流に冷静を装いながらも内心でドギマギしている様子がとても初々しくて微笑ましいです。
一方、独り好きで内省的な面もあり、周囲に対する、また自分自身への皮肉も含んだ客観的な視点は高校生らしからぬ成熟さを感じさせます。
また、そういった透徹した視点は、論理的に謎を解こうとする姿勢にも顕著に現れていて、ミステリという題材との相性も抜群だと思います。
こうした両者―高校生ならではの瑞々しい感性と大人の透徹した視線―との化学反応が読んでいて実に刺激的で大いに楽しませていただきました。