閉鎖的な田舎の旧家の莫大な遺産相続争い、令和になっても事件が起きる。

閉鎖的な田舎、それも警察がすぐに駆けつけられないような隔絶された寒村。
村を見下ろすようにどんと構えた巨大な洋館。
そんな洋館に負けないような莫大な資産を抱える古い一族。
産婆を生業にしていたという一族にまつわる古いしきたり。
それから、あの遠野地方。
家を出た一族の長男の憂鬱な帰還。
――因習村のホラーが始まりそうな舞台で、年老いた当主の死を発端に起こったのは、怪異ではなく凄惨な連続殺人事件。

隔絶された寒村で起きる、由緒ある一族の遺産を巡る殺人事件。
王道ですが、令和でもまったく違和感なく古臭く感じさせない面白さ!!それが、本作の魅力だと思います!!

当主の屈折した性格がにじみ出る遺言状。
闇深い産婆の生業。
それから、明るくない座敷童の考察。
犠牲になるのは――
陰鬱な展開に、探偵役のミステリー作家飯田先生の踏み込みすぎない態度のおかげか、ストレスも少なく読み込めるはず!!

ぜひ、ご一読を!!