マハン海上権力史論

 今回は『マハン海上権力史論』です。前回は「東欧を制するものは世界を制する」というマッキンダーの地政学論の本でしたが、本作は制海権の重要さを説いています。陸と海、真逆ですね。



 本作品では、具体的な歴史上の戦争を例に話が進みます。ですので、より理解がしやすいでしょう。ただ、日本人はヨーロッパの過去の戦争について、知識がない人が多いので、一概に理解しやすいとは言えないかもしれません。



 マハンが本作を書くきっかけになったのは、自身が海軍に所属していたからだそうです。



 日本は島国ですから、制海権の重要性を知っていて損はないでしょう。では、陸を制するべきというマッキンダーの考えはどうでもいいのか、というと違います。日本は島国ですが、近くの国で言うと中国は海というより陸を重視しています。



 やはり、地政学的なリスクを考える場合は陸、海の両方の面から考えるべきでしょう。



 今回は前作と本作の比較も入れてみました。それにしても、地政学って難しいですね。ただ、地政学の知識があることで、世界で起きているものごとの見方が変わるのは間違いありません。より簡単にまとめられている書籍は多いので、興味のある方はそういうものを読むのもありでしょう。



 今回はこの辺で。

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