論語と算盤

 今回はちくま新書の『現代語訳 論語と算盤』です。著者は渋沢栄一。数年前に大河ドラマでも取り上げられたので、知っている方が多いでしょう。



 『論語と算盤』では「論語つまりは道徳を守って商業をし、適正な利益を得る」ことについて徹底的に書かれています。繰り返し書かれているため、それ以外のことについて記述され、気に入った箇所を紹介します。以下、引用です。



「(前略)『競争』には善意と悪意の二種類があるように思われる。(中略)よい工夫をして、知恵と勉強とで他人に打ち克っていくというのは、まさによい競争なのだ。しかし一方で、他人のやったことが評判がよいから、これを真似してかすめ取ってやろうと考え、横合いから成果を奪い取ろうとするのは悪い競争に外ならない」



 現代社会において、「よい競争」は少ないように思います。他人の真似をして成果を横取りする「悪い競争」の方が楽です。しかし、みんなが同じ考えをしては、需要と供給のバランスが崩れ、結局うまくいかないでしょう。



 やはり新規に何かを生み出す「よい競争」の方があるべき姿でしょう。実践はかなり難しいですが。



 これらはビジネスだけではなく、創作についても同じことが言えます。カクヨムに限らず、書籍でも新規の斬新な作品が各ジャンルの金字塔になります。もちろん、後発作品が出てくるわけですが、本家本元にはかなわない。結局、類似作品は淘汰されるのです。




 さて、『論語と算盤』を用いてカクヨムのリワードの話を少しします。ロイヤリティプログラムに参加されている方が多数かと思います。私も参加しています。



 PVが多いほどリワード、つまりは報酬が多いわけですが、一般人は500円のアマゾンギフト券が限界でしょう。他の方の記事を読むと、上位勢でもお小遣い程度のようです。果たしてリワードは適正な利益と言えるのでしょうか?



 答えはイエスです。私たちはあくまで趣味でカクヨムを使っているわけで、プロではありません。趣味で書いているのに「リワードが少ない!」と不満を言うのは違う気がします。もちろん、多くもらえるに越したことはないのですが……。



 後半は『論語と算盤』ではなく、カクヨムの話が中心になってしまいました。なんにせよ、本書は時々読み直すのがよさそうです。



 今回はこの辺で。

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