ベスト・オブ・齋藤孝 頭を良くする全技法
今回は私が敬愛する齋藤孝氏の新書『ベスト・オブ・齋藤孝 頭を良くする全技法』です。齋藤孝氏(以下、著者)は多くの新書を執筆されています。有名どころでいうと『声に出して読みたい日本語』です。
多くの新書を書いている著者ですが、どの新書もなるほど、という気づきを与えてくれます。そんな著者が過去の様々な作品から「ここがポイント」という点だけを抜き出して構成されたのが本書です。つまり、本書を読めば何十冊と読まずに済むのです。かなり斬新なアイデアです。本書の存在を知った時、「そんなことしたら、他の自作が売れないじゃん」と思いました。実際、そうだと思います。なんて気前がいいのでしょうか。
何十冊もの作品のいいとこどりなのですから、内容が濃密です。目次を見て気になる箇所を拾い読みするだけでいいのです。これにより、さらにいいとこどりになります。
そんな本書ですが、心に響く箇所が多すぎて私には選びきれません。そこで、あえて選ぶならという文章を引用します。
「『技を盗む』と聞くと、未熟なものが熟達した者の技を盗むケースばかりイメージしがちである。(中略)技を盗む意識は、熟達者ほど高い。その高い意識で自分の技術向上のヒントを後輩から盗むのも、十分可能である」
ここから分かるのは自分より先輩の人ばかりではなく、たまには後輩からも技を盗もうね、ということです。技を盗むというと職人が先輩の背中を見て成長するというイメージが強いです。しかし、後輩にも後輩なりの良さがあるのです。
後輩は後輩で自分なりに先輩の技を盗みます。技を盗むといっても、盗む箇所は人それぞれです。盗む箇所が違えば当然、オリジナリティが出ます。そこで後輩の良いところを盗むことで自分の技術を向上することが可能なのです。ですから、カクヨムに限らず、勉学、仕事においてもたまには後輩の行動を見るのも大切だと思います。自分より効率のいい方法を実践している可能性もありますから。
本書の感想は以上になりますが、他の作品も目から鱗が落ちる文章が多いので、気になった方は読んでみるのをおすすめします。
今回はこの辺で。
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