　今回はホームズ繋がりで『三毛猫ホームズの推理』です。再読になります。シリーズ自体が長く続いていて、かなり読んだ記憶があります。

　本作の主人公は片山刑事です。それも血と女性とアルコールが苦手です。刑事をやっていて血が苦手というのは、致命的ですね。ですが、そういった要素によって読者から「血が苦手な刑事？　どれ読んでみようか」と思わせる効果もあるでしょう。

　本作は片山刑事も魅力的ですが、なんといってもタイトルにもなっている三毛猫のホームズの活躍ぶりがすごい。

　もちろん、普段は普通の猫と変わりませんが、一度事件が起きると片山刑事を事件解決へ向かわせるヒントを出します。意図してなのか、偶然なのか。

　本作はトリックがすごいですね。かなり斬新です。これ以上はネタバレになるので話しませんが。

　また、一つの事件だけを追うのではないため、一本道になっていないのもポイント。複数の謎を絡ませることで、内容に厚みを持たせることに成功させています。これはミステリーに限らず、あらゆる小説に通用するでしょう。

　今回は短いですが、この辺で。

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