ふわっとした読書感想文
雨宮 徹
ハリー・ポッターと賢者の石~原書との比較〜
初回は『ハリー・ポッターと賢者の石』です。いまさら? と思われる方が多いと思います。今年の九月、十月頃にとしまえん跡地のハリポタ施設に行くにあたって、気分を盛り上げるために再読したのです。当然、小学生時代から何回も読んでいるので内容は頭に入っています。
そこで、原書も読みました。原書と日本語訳を比較することで、新たな発見があると思ったからです。新しい発見もありましたが、私の英語力は低いので、全部は拾いきれてないです。今回は日本語訳の良いところ、原書との比較をメインに書いていきます。
『ハリー・ポッターと賢者の石』(以下、ハリポタ)ですが、皆さんご存じのとおりジャンルは児童文学です。分厚くて児童文学には見えませんが、子供でも読めるような工夫があります。
第一に漢字にはルビが振ってあります。これはかなり重要です。流石、児童文学です。
第二に「強調したい文章は字が大きい」です。原書にはない工夫です。人によっては「原書ではそんな書き方してないから、不要だ」という声もあります。私は日本語訳ならではの工夫としてありだと思います。児童文学というジャンルのため、対象年齢は小学生低学年からとなります。強調したい箇所の文字を大きくすることで、小学生でも飽きません。さらに、「ここは重要だよ!」と親切に教えてくれるのです。
第三に「呪文のあとには効果が書いてある」です。例えば武装解除呪文の「エクスペリアームス」ですが、原書ではそのまま「エクスペリアームス」としか書いてありません。その後の文章でどんな効果を持つ呪文なのかを自分で理解する必要があります。一方、日本語訳では「エクスペリアームス 武器よ去れ」と丁寧にこんな効果の呪文だよ、と教えてくれます。私としては小学生が文章から呪文の効果を理解するのは難しいと思うので、これも日本語訳としてありだと思います。
上記の工夫により、小学生からでも読めるようになっています。そして、私がハリポタの素晴らしいと思う点は「分厚いこと」です。確かにあの分厚さですから、人によっては読むことを諦めることもあるでしょう。ですが、様々な工夫によって読みやすくなったことで、小学生がハリポタを読み終わると「私はこんな分厚い本を読んだんだ」という達成感が得られます。この達成感は読書欲を大きくすると個人的には思います。大きな自信になるためです。ちなみに、分厚さを原書と比較すると、日本語訳の方が圧倒的に分厚いです。
思い出の一冊ということで、想像より長文になりました。以上、大人になってから読み直し、原書と比較した感想でした。
今回はこの辺で。
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