99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方

 今回は新書の『99.9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方』です。

 現代科学は仮説で成り立っている、というのが本書の始まりです。具体例として、「飛行機はなぜ飛ぶのか? 実はよくわかっていない」から始まります。いきなりの話で私はびっくりしました。


 本書は私たちの凝り固まった頭を柔らかくするのに最適です。思い込みは小説家を目指すものにとって最大の敵です。

 あまり多くを語ると本書の魅力がなくなりかねないため、ここは! と思った箇所を引用します。


「われわれの世界観、われわれが親から教わること、われわれが学校で教わること、そういったものは、すべて仮説にすぎません」


 学校で教わることといえば、教科書の内容は変わることが多いですよね。例えば惑星の数。以前は冥王星を入れて全部で九つとされてきました。しかし、冥王星が準惑星になったことで惑星は八つに変わりました。仮説とは少し違うかもしれませんが、ものの見方って時代ごとに大きく変わります。


 ものの見方というところで本書ではロボトミー手術を挙げています。今でこそロボトミー手術はすべきではない、というのが常識ですが当時は違ったのです。精神病に対する画期的な治療法として歓迎されました。そして、提案者の医者はノーベル賞を受賞しています。この話はまったく知らなかったので、「え、そうなの!?」というのが率直な感想でした。

 さて、ロボトミー手術が効果的と世間が評価していたところに、薬物療法が進歩します。そうすると、副作用が大きすぎるロボトミー手術は手のひら返しをくらいます。

 この事例が示すようにこの世に絶対なんてありえないのです。あくまでその当時の評価でしかないのです。


 これ以上語ると「読んでみたい!」という方が減りそうなのでこの辺で終わります。もし、本書を購入、もしくは図書館で借りる方は。いいですね、必ずですよ。


 今回はこの辺で。

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