第8話008「お金をどうやって稼ぐか考えるようです」

 更新時間が遅れてしまい、すみませんでした。



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「さて、そうなると、どうやってこの大金貨1枚を稼ぐかなのだが⋯⋯」


 俺は、また孤児院の皆様の目を盗んで一人、森にやってきた。今日は毎月大金貨1枚を稼ぐ方法を考えにきたのである。


「毎月、平民の平均月収4倍以上を稼ぐ方法⋯⋯か」


 キビシー。非常にキビシー。財津○郎並みにキビシー。


 しかし、そんな弱音は吐いていられない。やらなければいけないのだ。


 やるならやらねば!


「まー可能性があるとしたら、アレ・・だろうなぁ⋯⋯」


 アレとは、孤児院の子供たちによるボランティア活動だ。具体的に言うと、平民の個人宅の掃除や草刈り、あと、おつかいとかもする。それと、冒険者ギルドから下水道掃除とか、あと、たまにだけど薬草採取とかもお願いされることもある。


「いわゆる『何でも屋』⋯⋯だな」


 普段は、無償で孤児院の子供でほぼ毎日家々を回って用事を聞いているのだが、現在、孤児院に寄付金がストップしたということで、現在この活動もストップしている。


 すると、院長先生から『何でも屋ボランティア』を頻繁に使っていた人たちから孤児院に「どうにか復活して欲しい」という要望が届いているという話を聞いた。


 院長先生からこの話を聞いた時、俺の脳内に「需要=金のなる木」という黄金公式が閃いた!(※そんな大した閃きではない)


「何でも屋⋯⋯これだな。しかし、問題は、今まで無料でやっていたものにお金を払ってくれるかどうか⋯⋯」


 そう、これまで無料だったときは利用していても、有料になった途端利用しなくなるのはよくある話。それは、この異世界の人たちでもきっと同じだろう。


「となると、お金を出してもこのサービスを利用したいと思わせる必要がある⋯⋯ということか。それならば、やることは一つしかない」


 無料のサービスが有料になっても利用したいと思わせる方法⋯⋯それは、


「サービスのクオリティを上げる。これ以上でもこれ以下でもないだろう」


 では、『サービスの質を上げる』にはどうすればいいか?


「孤児院の子供たち全員に『地球版掃除のイロハ』を教える。これだろ!」


 前世でニートだった頃「ニートを卒業しよう!」と、一念発起したときがあった。そのとき、


「まずは部屋をきれいにするところから始めよう。なんてったって『部屋は心を映す鏡』とも言うしな!」


 と、勢いそのまま、部屋を完璧に掃除しようとネットで掃除テクニックを片っ端から調べた。その結果⋯⋯、


「あ〜〜〜〜〜〜〜⋯⋯調べ疲れた〜」


 と言って、そのままプレ○テ4のスイッチを入れて『ぼうけんのつづき』を始めた。


 まー、要するに、部屋が片付くこともなければ、俺がニートを卒業することもなかった⋯⋯そういう話だ。


「いや、そういう話だけれども! 俺が言いたいのは、俺にはネットで調べ尽くした『掃除テクニック』が脳に詰まっているということだ」


 つまり、この無駄になると思われた掃除テクニックが必要となる日が来た⋯⋯そういう話だ。



「俺の『48のお掃除術』が火を吹くぜ!」



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「う〜ん、でも『何でも屋』だけで、平民の3倍の給料なんて稼げるだろうか?」


 孤児院の子供の数は全部で10人。これを3人1組で動かすと3チーム。なので、同時に依頼を頼まれた場合最大でも3つまでしかこなせない。


「まー、2人1組にすれば5チームになるけど⋯⋯2人だと今度は作業時間が長くなるだろうし、それに一人の負担が重くなる⋯⋯。そうなると、嫌になる子供も出てくるだろうな〜」


 ということで、ここは、まず3人1組でいいだろう。


 で、1回の依頼料をこの世界の相場で考えて銀貨1枚(100円相当)とした場合、1日5時間ほど働くと1チームあたり、銀貨5枚(500円相当)となる。これが3チームなので1日の売り上げは銀貨15枚(1,500円相当)だ。


「1日銀貨15枚。これを毎日やったとしても1ヶ月の売り上げは⋯⋯銀貨450枚(金貨4.5枚/45,000円相当)。うん⋯⋯全然足りないね」


 ダメじゃ〜〜〜〜〜〜ん!


「やっぱな〜、そうだよな〜。でも、単価を上げるわけにはいかないしな〜」


 そう。仕事の単価を上げるのは無理だろう。なぜなら、単価を上げるには『質』が求められるからだ。


「仕事し始めだと、まだ作業の質は低いのだから単価を上げることは無理だ。そもそも1回の依頼料が銀貨1枚(100円相当)でも依頼が来るかどうか微妙なところだし⋯⋯」


 そう。あくまでこの依頼料数字は俺の主観による設定だし。下手したら、依頼料をもっと下げる必要があるかもしれないのだ。


「なので、この依頼料を上げるなんて無理だろう。少なくとも、町の人に『何でも屋』の仕事の質が認められてからの話だ」


 ということで、『何でも屋』だけでは『月大金貨1枚(10万円相当)』という収益は絶対に無理なのである。


「子供の俺たちが1日に5時間以上仕事するのもダメだ。そこまで子供達に負担をかけるのは⋯⋯。でも、そうなると、あとは何が⋯⋯⋯⋯⋯⋯あっ!」


 ここで、わずかな『可能性』が脳裏に浮上する。



「スキル『造型士』で何かを作って売る⋯⋯とか?」





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【毎日12時更新】

 明日もまたお楽しみください。

 あと、下記2作品も読んでいただければ幸いです。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://kakuyomu.jp/works/16817330650503458404


「生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜」

https://kakuyomu.jp/works/16817330655156379837

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