第26話026「ウラノスが仲間になったようです」
「やはり⋯⋯か。それなら納得だ」
「そうなの?」
ウラノスは『卵殺菌用魔道具』や、スキルで出現したオリジナルの『日本製のマヨネーズ』、そして、事細かに書かれている『魔道具の設計書』もスキルの力なら納得できると言った。
「魔法は才能に近いイメージだが、スキルは魔法と違って神様からの授かり物というイメージだからな。だから、奇想天外で奇跡のような現象は大体がスキル絡みなんだ。そういった実績を考慮しての納得だ」
「⋯⋯へぇ、なるほど」
どうやら、スキルは魔法よりも特別扱いな能力らしい。こういった本には載っていない現場の人の言葉はすごく勉強になる。
ちなみに、ウラノスにもシスター・マリー同様、スキルのことは話したが前世の話はしなかった。そのため、オリジナルについては「頭の中で浮かんだ物がそのままオリジナルとして出てくるみたい⋯⋯」と説明をした。
まー、二人とも疑ってはいないようだったので大丈夫かな⋯⋯。
そんなことを考えていると、ウラノスが真面目な顔をして話しかけてきた。
「リオ。⋯⋯お前のそのスキルだが、これはこの世に無い物を生み出し、さらにこの世界にある素材で作れ、しかも、その作り方が書いてある設計書まで用意される⋯⋯というものだ。正直、これははっきり言って相当有用なレアスキルであることは間違いない」
「あ、ああ⋯⋯」
「しかし、それは同時に
「!」
ウラノスが淡々とそんなことを言ったので、俺は思わずゾッとした。
「まー、マリーから話を聞いていると思うが⋯⋯。とにかく、それだけのスキルだから取り扱いには本当に気をつけろよ。そうじゃないと神殿関係者が勘づいてしまう恐れがあるからな、いいな?」
「あ、ああ、わかった⋯⋯」
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「さて、それじゃあ、早速試してみるか!」
俺はウラノスからこのスキルの
というわけで、俺はウラノスが持ってきた2つの空の魔石に魔力を注入するところなのだが、
「え、えっと⋯⋯魔力ってどうやって魔石に込めるの?」
「は?」
俺はウラノスに魔石に魔力を注ぐ方法がわからないことを素直に告げる。すると、
「こんな立派な魔道具を作っといてそんなセリフを吐くとは⋯⋯スキルとはつくづく謎じゃな」
「あれ? 俺ディスられてる?」
「はいはい、ウラノスもリオもやめなさい。それよりも、早く魔道具を試しましょう。さあ! さあ!」
シスター・マリーが妙に急かしてくる。
「どうしたんですか、シスター・マリー? どうして、そこまで急かすんですか?」
「そりゃ、だって⋯⋯もしもこの魔道具がうまくいけば卵を生で食べられるって話でしょ?」
「ま、まあ⋯⋯」
「だったら食べてみたいもの、生の卵⋯⋯!」
ああ、そうだ。そういえばシスター・マリーってお料理好きでグルメでもあったんだっけ⋯⋯。
「はっはっは! マリーは相変わらずだな〜」
「いいでしょ!『おいしいは正義』よ」
「なるほど」
であれば、魔石に魔力を注いで、ぜひ魔道具起動を成功させたいな。
「リオ、お主、魔法は使えないのか?」
「あ、えーと⋯⋯⋯⋯うん」
「は? いやでも魔力はあるんだろ?」
「ああ」
「ちょっと待て? お前、魔法が使えないって魔法を習得していないだけじゃないのか?」
「いや⋯⋯孤児院に『初級魔法書』があったからそれ読んだけど⋯⋯習得できなかった」
「マジ?」
「マジ」
「⋯⋯ぷっ」
「(イラッ!)」
ウラノスのいちいちディスる態度が全くもってうざいことこの上ない。
「悪い、悪い、怒るなよ。よし、とりあえず、魔法は使えなくても魔石に魔力を通すことはできるはずだ。リオ、お前体内にある魔力を感じ取ることはできるか?」
「あ、ああ」
「よし。じゃあいいか、リオ。魔石に魔力を注ぐ時、まず体内の魔力の存在を感じ取るところからやってみろ。どうだ?」
「あ、ああ。大丈夫だ」
スキルを使う時、魔力も使うこともあり、俺はすでに体内にある『魔力っぽいもの』についてはしっかりと把握できていた。
「ほう? わかった。じゃあ、今度は魔石を握っている手にその体内にある魔力を流すんだ。そうすると、魔石がその手に集まる魔力を感知すると自然にその魔力を自分の中に取り込もうとするはずだ」
「へぇ〜。なんか魔石に意思があるようなこと言うんだな⋯⋯」
「魔石に意思⋯⋯だと? はは、なるほど。そう言われればそうかもしれんな⋯⋯面白い発想だ」
「?」
何やら俺の反応を見てウラノスがやたら嬉しそうだった。
よくわからん奴だ。
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【毎日12時更新】
明日もまたお楽しみください。
あと、下記2作品も読んでいただければ幸いです。
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
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「生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜」
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