第6話006「スキルの正体がわかったようです」
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「本当だったら、俺のイメージは、こう⋯⋯機能性を取り入れたスタイリッシュな本棚を意識してたなぁ⋯⋯」
『イメージを確認。オリジナルと設計書を具現化しますか?』
「⋯⋯えっ?」
脳内に突然、そんな『機械的な女性の声』が響いた。
「オ、オリジナル⋯⋯? 設計書⋯⋯? 具現化ぁぁぁ?!」
な、なんだ?! どういうことだってばよ!!
そんな、プチ混乱する俺の脳内で再度声が響く。
『イメージを確認。オリジナルと設計書を具現化しますか?』
「ど、どどど、どうしようぉぉぉぉ⋯⋯っ!!!!」
いやいやいや、どうしようも何も⋯⋯ここは「具現化します」一択だろうぉぉぉ!!!!
「具現化よろ」
『かしこまりました』
フワァァァァ⋯⋯。
すると、手をかざした先に光が収束していき、そして、
ポポンッ!
軽快音と共に、何もない空間から⋯⋯⋯⋯俺がイメージしていた本棚と冊子のようなものが出現した。
「こ、これ、俺が頭でイメージしていた本棚だ⋯⋯」
さっき、脳内に響いた声も「イメージを確認」とか「具現化しますか?」と言っていた。つまり、
「お、俺の頭の中のイメージを、そのまま具現化するのが、俺のスキルの能力⋯⋯ってことぉぉぉっ?!」
え? す、すごくない⋯⋯この能力?
頭でイメージした物を具現化できるとか⋯⋯やばくない?
俺は、どう考えても『チート能力』であることを実感し、軽く身震いしていた。しかし、
「あ、いや、待てよ?」
ここで、さっき脳内で響いていた言葉に『気になるワード』があったことを思い出した。
「た、たしか、『オリジナルと設計書を具現化』⋯⋯って言ってたよな? つまり、この具現化した『本棚』はオリジナルってことか」
脳内の声が『オリジナル』とわざわざその言葉を使ったということは、つまり本当に『オリジナル』ということだろう。つまり、
「つまり、
ということで、俺は確かめるため、再度その本棚をイメージして具現化させてみた。すると、3回目のスキル発動のとき、
『オリジナルはこれで終了です。次回からは設計書しか具現化されません。具現化しますか?』
と言ってきた。
「やっぱり!」
確認ができた俺は、具現化を拒否。
「やはり、オリジナルだから数に限りがあったか。で、オリジナルの具現化は3つが限度⋯⋯ね」
ていうか、1個だけでもイメージを具現化できるのはすごいことだ。それに、このスキルの『本当のすごさ』はそこではない。
「この設計書⋯⋯やばすぎだろ?」
オリジナルと一緒に具現化した『設計書』の冒頭には、以下のような説明書きがあった。
——————————————————
<説明>
この設計書は、この世界で造型士スキルのオーナーであるリオ(山田三郎)のイメージをこの世界の素材を使って、具現化するための素材と設計方法が書かれています。
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「この世界に存在する素材で具現化した物を再現⋯⋯だとっ!? 」
ちなみに、その設計書は言葉だけでなく『図』も使ってわかりやすく説明されていた。
「この世界の素材を使って具現化⋯⋯ってことは、つまり、俺以外の人でも俺のイメージした物を作れるということになる。それって、見方・言い方を変えれば⋯⋯大量生産も可能ってことなのではっ?!」
たぶん、そうだ!
この『造型士』ってスキルの真骨頂は『イメージの具現化』と『大量生産可能』という2点!
「もし、そうなら⋯⋯この異世界に、地球にある物を作ることも可能なのでは?」
俺は、その可能性を考えたがすぐに難しいことに気づく。
「い、いや、何でもというわけにはいかないのか。だって、電気を使う⋯⋯例えば家電製品とかだと、そもそも『電気が存在しない世界』なんだから使うことができないし、あと、家電製品に使われている部品とかもこの世界にない素材だったら具現化は無理⋯⋯ってことか」
まーあとで試してみるが恐らく無理だろうな。だって、俺のイメージの具現化の再現は『この世界にある素材』が大前提だし。
「いや、それでもこのスキルは想像以上にチートだわ。それに、さっきからスキル使ってて思ったけど⋯⋯魔力使われてるし!」
そう、実はスキルを使うと体内から手のひらに向かって『見えない何か』が放出されるのを感じたのだ。
「あの体から何かが放出された時、直感で『魔力』って認識したからおそらく魔力で合っているんだろう。でも、そうなると、スキルは魔力を使うってことになるんだが⋯⋯これも新発見だよね?」
いや〜、スキル関連の新発見のオンパレードだな、おい。
ただし、一つ気になることがあった。
「う〜ん⋯⋯でも、俺の魔力の数値『1E6』に変化はないんだよな〜」
何で変化がないんだろ? 魔力を使っているのは明らかなのだが⋯⋯?
「やはり、この魔力の数値はバグなのだろうか? まーでも、今回のスキルを試したおかげで、魔力があることもちゃんと利用できることもわかったんだから、結果オーライってことでいいんじゃないかな」
かくして、俺のスキル検証は終わった。
検証が終わった俺は改めてこのスキルやステータスボードのことを隠すことを決めた。理由はもちろん、悪目立ちして貴族の奴らに目をつけられるのを恐れたからである。
とはいえ、このスキルが強力なのは間違いない。
「ふ、ふふふ⋯⋯いいねぇ、最高のチートスキルじゃねーか。こんな身分差が激しいクソったれな世界で孤児スタートとか危うく死ぬところだったが⋯⋯まあいい、いいだろう。しかし、ここからはこのクソったれな世界にわからせてやる⋯⋯こっからは俺のターンだ!」
ニチャァと歪んだ顔で発したその言葉はいかにも強者の言葉であったが、しかし現実は悲しいかな⋯⋯本人は『ニチャァ顔』のつもりでも外から見ればただの可愛らしい8歳の笑顔であり、その強者の言葉は微笑ましい呟きにしか聞こえなかった。
そんな、いつもの締まらないリオの日常に突如大きな事件が降りかかることとなる。
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「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650503458404
「生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜」
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