第20話020「新商品開発のようです」
「はぁぁぁぁぁぁ〜〜〜⋯⋯どうしよっかなぁ〜」
どうも。
商業ギルド長に調子の良いこと吹っかけてすでに後悔している俺こと、リオです。
ちなみに、昨日商業ギルドから戻るや否や、
「リオ! お前、もう新しい商品とか考えていたのか⋯⋯?!」
「リオ、すごいね! すごいお偉いさんみたいな人と大人のようなお話ができて⋯⋯!!」
「リオ兄! 次は一体どんなすごい商品を考えているんだ。教えてくれよ!!」
と、3人から質問攻めにあった。
「そ、それは、後のお楽しみ⋯⋯ってことで」
「「「ブゥゥゥーーーっ!!!!」」」
めっちゃ、ブーイングされた。
めっちゃ、サムズダウンされた。
非常に過激な子供達である。
さて、そんな過激な子供達を軽くあしらい、目を掻い潜り、再び森へと移動した。
********************
「ふぅ〜。それにしても⋯⋯」
俺は『ヘチウマたわし』を見事横から掻っ攫っていった『オットセイ卿』こと、ゲリーニ・バグズ卿を思い出していた。
「あんの野郎〜⋯⋯なかなか舐めた真似してくれたじゃねーか」
昨日、商業ギルドでは平静を装っていた俺だったが、ぶっちゃけ、はらわたは煮えくり返っていた。
「あの『ヘチウマたわし』の類似品や偽造品が出てくるのはあらかじめわかっていた。だけど、まだすぐに売れなくなるということではなかったはずだ。少なくとも王都にはこれから流行っていく感じだった。それを⋯⋯それを⋯⋯あのオットセイ野郎が⋯⋯」
許せん!
マジ、許すまじ!!
コノウラミハラサデオクベキカァァァァ!!!!
とりあえず、あのオットセイ野郎にはぐうの音も出ないほど『ざまぁ』を仕掛けるとして、それよりも一番大事な問題は『次、何作るか問題』である。
いや、確かにそうなのではあるが、しかし、悩みは少し複雑なのである。
いや、単純か? というのも⋯⋯、
「ぶっちゃけ、何を作るかのアイデアは別にないこともない。ていうか、むしろいっぱいあるわけで⋯⋯」
そう、いっぱいあって困っているのだ。
「え? じゃーさっさと作ればいいじゃない?」と思ったそこの奥さん! 違う、違うんだよなぁ〜! そういうことじゃないんだよ〜!(※ウザい)
つまり、何が言いたいかというと、
「俺、あんまり作り方とか、わかんねーんだけど⋯⋯」
そう、俺のこれまで読んだ
はい、ピンときたそこのあなた! 大体合ってます!!(※謎のノリ)
で、だ。
そういった『前世知識を活かしたものづくりチート』関連の
「⋯⋯俺、特に趣味とかなかったな〜(遠い目)。ていうか、普通に『マヨネーズ』とか作ったことないんだが?」
前世の知識を活かして商品作りの定番の一品『マヨネーズ』。しかし、俺にはマヨネーズを作る知識は存在しない。
「前世の知識と作り方がわかるはイコールじゃない⋯⋯そういうことですね。わかります」
ということで、俺は現在「知識チートは多趣味主人公にしか当てはまらない」という現実を身をもって体験中なのであった。
しかし、そんな、多趣味じゃない俺ではあるが『マヨネーズ作り』においては勝算があると踏んでいた。なぜなら⋯⋯、
「だって、卵と油と酢を混ぜればできるでしょ?」と思っていたから。
ということで、次に販売する商品を俺は『マヨネーズ』にすると決めたのである。
********************
たしかに、俺はマヨネーズは買って利用したことはあっても自分で作ったことはない。
だが、それなりに知識はある!
「え、えーと、たしか必要な素材は『卵、酢、油』だっけ? あれ? そういえば卵って黄身だけ使うんだっけかなぁ? あと、混ぜる順番とかもあったような⋯⋯。あと卵は殺菌が必要とかなんとか⋯⋯」
前言撤回である。ひどいものである。
数秒前に「それなりに知識はある!」などと言ってごめんなさい。
「い、一応、卵も酢も油も平民でも手に入れられる価格ではあるからマヨネーズ作りが成功すれば販売は十分可能だと思う」
ただ、そのマヨネーズ自体をそもそも作れるのかというのが問題なのだが⋯⋯。
しかし、俺は朧げな知識ではあるものの何度も試せばマヨネーズは作れるんじゃないかと思っている。
トライ&エラーの鬼となるのだ、俺!(くわっ!)
********************
「あとな〜、このマヨネーズの価格をいくらにするか⋯⋯これが難しいところだよな〜」
そう、卵と油は少し価格が高いのでどうしても販売価格は高くならざるを得ない。わかりやすくいうと、日本の感覚でいえばマヨネーズが1個2万円(大銀貨20枚/金貨2枚)くらいになる感じだ。
「いや、高っ!? で、でも、マヨネーズの美味しさを知ったらこれくらい高くても買ってくれる⋯⋯いや、さすがに無いか。さすがに1個2万円は⋯⋯高すぎるよねぇ」
はああああああああああ〜〜〜⋯⋯だよねぇ、高いよねぇ。
マヨネーズは『作るも難題、価格も難題』と、この時マヨネーズがいかに頭の痛い商品であるかをちゃんと理解した瞬間でもあった。
「う〜ん、せめて1個3000円(銀貨30枚/大銀貨3枚)くらいには落としたいな〜。でも、どうしたら⋯⋯⋯⋯⋯⋯そうだ!」
京◯、行こう!
ではなく、ビビッと閃いた!
「マヨネーズの味に差別化を図るのはどうだろうかっ?! 例えば『貴族向け商品』と『平民向け商品』として販売するとか! 平民向けのマヨネーズ『標準マヨネーズ』は少し安く価格設定して、その分、味の質を上げた貴族向けマヨネーズ『高級志向マヨネーズ』として高価格で設定すれば、平民向けマヨネーズの値下げ損失分の確保ができるのではっ!!」
イケる! イケる!
俺の中のバイブスが上がった。
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【毎日12時更新】
明日もまたお楽しみください。
あと、下記2作品も読んでいただければ幸いです。
「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」
https://kakuyomu.jp/works/16817330650503458404
「生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜」
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