第3話003「いろいろ頑張ったようです」


 新作です。

 毎日12時更新です。よろしくお願いします。


※初回は3話更新(12時、17時、21時)となります


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 どうも、リオです。


 魔法を習得できないという事実にへこんでふて寝した俺こと、リオです。


 そんな、傷心した俺も4歳になりました。



<リオ(山田三郎)/4〜8歳>


 めでたく(※めでたくとは?)、4歳になった俺はこれまでと変わらず、孤児院の本を読んでいた。最近のお気に入りは『領地経営』。⋯⋯渋っ!?


 あと、そんないつもの読書に、さらにもう1つ新しいことを取り入れた。それは筋トレだ。


「だって、魔法使えないし〜、だったら、せめて筋肉は付けとけ〜⋯⋯みたいな?」


 ちなみに、魔法が使えないことはわかったが「スキルはどうなのよ?」ということで、スキルについても調べたのだがこれが何とも微妙だった。


 というのも、スキルは現状あまりよくわかっていないらしく、なので、詳しい内容はあまり書かれていなかったのだが、一応『自分がスキルを持っているか否か』についての確認方法は書いてあった。


 その方法とは『神殿』にいる司祭に見てもらうことでスキルの有無を確認できるらしい。


 ちなみに、その際『浄財』という名の寄付金が必要とのこと。つまり金だ。しかも、この『スキル確認』はかなりの額のお金が必要らしく、本では大金貨10枚以上と書いてあった。


 大金貨10枚以上⋯⋯つまり、日本円で100万円以上ということだ。


「世知辛いな、異世界っ!?」


 どうやら、こういった『お布施もの』は異世界も例に漏れず、地球と同じく『厚い信仰心高額お布施』が必要らしい。


「むしろ、地球と同じで逆に安心したわ⋯⋯クソったれ!」



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 ということで、そんな魔法も使えない、スキルもあるかどうかわからない、この素敵な現状で、この世知辛い異世界をどうやって生きていけばいいかと考えた結果、


「そうだ。筋肉めっちゃ鍛えよう!」


 ということになった。


 筋肉は裏切らない。わかるね?


 もはや、俺に残っている最後の希望は己の肉体のみ。ならば、早いうちから体を鍛えるに越したことはないということで、4歳の俺はその日から走りこみや腕立て、腹筋、と毎日頑張った。それはもう、ロッ⚪︎ー・バルボア並に(※個人的に『ロッ○ー2』は至高)。


 周囲の子供やシスター・マリーからは「院長先生。リオお兄ちゃん、何やってんの?」「見ちゃいけません!!」などといったやり取りがあったとか、あったとか、よくあったとか⋯⋯。


 しかし、俺はそんな冷たい世間の白い目にもめげず必死に自分を追い込んだ。


 そんな、体づくりを始めて4年が過ぎた頃、俺は8歳になった。



 8歳になった俺の体は細マッチョな筋肉がなかなか良い感じについていた。


「筋トレ4年は伊達じゃないな。そして筋肉はやはり裏切らない」


 おかげで、前よりもすごく運動神経がよくなったのだが、ただ⋯⋯前世で子供の頃おじいちゃんから「小さい時に筋肉をつけたら将来身長が伸びなくなるぞ」という話を聞いたことを思い出し、ちょっとビビっていた。


「い、いや、まさか、そんな⋯⋯非科学的・・・・な⋯⋯」


 うん。まーここ、魔法ありの世界異世界ファンタジーだけどな。



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 そんな、俺の細マッチョな体は周りから白い目を向けられるほどに成長していた。


 そんな世間(孤児院)の目にも慣れた俺は一人で森に散歩に出かけた。決して、皆の視線に耐えられなかったからとか、そういうことではないからね? いいね?


 あと、一人で森に来たのはちゃんと理由があった。それは、


「もう一度⋯⋯もう一度だ! もう一度、魔法が使えないか試すんだっ!!」


 うん、もう⋯⋯必死ね。ドン引くくらい必死。だって、やっぱ諦めきれないのよ。


 そりゃ、一度は諦めて筋肉に走ったけど⋯⋯でもさー、やっぱり、異世界に転生したんだからさ⋯⋯魔法、使いたいじゃん?


「『魔法はロマン』⋯⋯そうだろ?」


 と、そんな恥ずかしいセリフ禁止してなかった俺が初級魔法書引っ提げて森にやってきたってわけよ。


 そうして、俺の挑戦が始まったわけよ。



——1時間後



「ああああああああぁぁぁぁぁ〜〜〜っ!!!!」


 うん、魔法やっぱ身に付かなかった。知ってた!


 もうねぇ、まったく才能ないことがよ〜くわかったよ!


 はい、ちゃんと思い知らされました!


「魔法はロマン」とか言ってごめんさない!


「ロマン」の無駄遣いしてごめんなさい!


 俺は必死に出来うる限りの可能性を試したが、頭の中にその初級魔法書の魔法名が出てくることはなかった。



 ちーん。



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 ボケーーーーーーー⋯⋯。


 俺は切り株に腰掛け、小1時間ほどボケーっとしていた。


「そうか、ダメか。やっぱりダメなのか⋯⋯」


 ぶっちゃけ、体を鍛えて『心身』を鍛えたら「ワンチャンあるんじゃね?」と思っていたけど、やっぱダメでした。


 え? 筋トレの理由はそれなのかって? そんなの当たり前じゃん! じゃないと、筋トレなんてやってられるか。


 そんな、ゲスい愚痴をいつものようにこぼしながら俺は空を見上げた。


「あ〜〜〜あ⋯⋯、本当なら魔法が使えて、しかもチートでさ。まだ8歳のガキのくせに大人を負かすくらい強いムーブかましてさ、こう、どんどん成り上がっていく的な⋯⋯? そういうのをな〜、異世界に期待してたんだけどな〜」


 俺は透き通った綺麗な青空を見上げながら、尚も『異世界転生の憧れ』を語る。


「あ〜〜〜あ、俺の異世界無双は終わりか〜。せめて、スキルがあったらまだワンチャンあるかもだけど、神殿でそれを確認するには金がな〜、金な〜、無いな〜。作品ラノベの定番なら『スタータス!』⋯⋯なんて言えば、こう、目の前にブン⋯⋯とホログラフのステータスボードが現れて⋯⋯」


 ブン!


「⋯⋯⋯⋯えっ?」


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名前:リオ(山田三郎)

年齢:8歳

身体能力:185

魔力:1E6

スキル:造型士(無)/LV1


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 こちらも、よろしくお願いします。


「イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜」

https://kakuyomu.jp/works/16817330650503458404


「生活魔法で異世界無双〜クズ魔法と言われる生活魔法しか使えない私が、世界をひっくり返すまでのエトセトラ〜」

https://kakuyomu.jp/works/16817330655156379837

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