第24話 元貴族の冒険者、受付嬢の供物にされる
~~~~~~~~~~~~~^
こんにちは、
冒険者ギルド職員のレナです。
ただいま受付のわたしの前で、
面白・・・いえいえ、大変な事が起きています。
わたしがひいきにしている新人冒険者のクリス君。
やや小柄で童顔の、
色々な意味で将来が楽しみな13歳の男の子です。
その彼が無事にDランクへの昇級試験を終えて、
報告に来てくれたのですが・・・。
「クリス・・・、
その女子はいったい誰だ・・・?」
この仮面の人は、
最近クリス君とパーティーを組んだ、
B級冒険者のシンさん。
わたしと同じで、
クリス君が無事に戻るのを待っていたんです。
わたし以上にソワソワして・・・ね。
そして、
友魔の白狼、ユキちゃんと一緒に、
クリス君は戻ってきました。
本当に良かったです・・・!
良かったのですが・・・、
何故か、可愛らしい子がクリス君と一緒にいるのです。
確か名前はリコさん・・・、
クリス君と同じ、今回の昇級試験の受験生ですね。
試験中に知り合ったのでしょうか、
ずいぶん仲良くなるのが早いですね。
いわゆる吊り橋効果というものでしょうか。
そして今、そんな二人を見て、
何か黒い感情を増幅させているシンさん。
周りの皆さんが震えるほどに、ですよ。
これは、
いわゆる修羅場という状況でしょうか・・・。
大きな声では言えないんですけど・・・、
わたし、こういうの大好きなんです・・・!
「え?あ、あの・・・」
かわいそうなクリス君・・・。
シンさんの威圧に完全にのまれてしまって・・・、
ふふっ・・・。
「あ、リコだよ」
「で?」
「・・・え?」
「名前は分かった。
それで?
わたしはその子と初対面なのだが、
お前とはどういう知り合いなんだ?」
「あ、いや・・・、
リコとは今回の試験中に知り合って・・・」
「知り合って・・・それで?」
「え?えっと・・・、
食事とか魔物退治とか一緒にして、
それで仲良くなって・・・」
「仲良くなって・・・それで?」
「それでって・・・、
いや、それで終わりだけど・・・」
「それで終わり・・・なら何故、
まだ二人は一緒にいるんだ?」
「そ、それは・・・」
盛り上がってきましたね、ふふ・・・。
それにしてもシンさん、
クリス君と組んでから普通に話すようになりましたね。
前はほとんど声も聞かせてくれなかったのに。
それだけクリス君がお気に入りなんでしょうね。
この詰問も、そんな好意の裏返しというわけですか。
少々相手を追い詰めすぎな気もしますけど・・・。
「あ・・・、そ、それは試験が・・・、
リコと組んでパーティーでの合格という事になったから、
それで・・・」
クリス君、完全におびえていますね。
好きですよ、その
「あの、シン・・・さん」
おっと、ここでリコさん参戦ですね。
クリス君をかばうように、
シンさんの真正面に立って・・・。
「む・・・」
「ごめんなさい。
クリス君から名前を聞いていたので」
「・・・」
あら、シンさん。
また無口になっちゃいましたね。
リコさ~ん、
無視されているわけじゃありませんから、
そのまま話を続けてくださ~い・・・。
「わたし、クリス君と一緒にいたいんです」
「・・・」
「リコ・・・」
あらまあ、
クリス君もまんざらでもない顔して。
「それでこうして、彼に引っ付いてきたんです。
だから、
「・・・」
何か・・・すごいですね、リコさんのクリス君への好感度。
知り合ったばかりで、ここまで想えるものなんでしょうか。
「・・・何故、そこまでクリスにこだわる?」
「え?」
「リコ・・・だったな。
お前とクリスは昨日試験で協力し合っただけだ。
それだけで、そこまでの好意を抱いたというのか?
何故だ?」
「それは・・・」
シンさんも違和感を覚えたようですね。
本当に何故なんでしょう・・・。
「待って、シン」
「クリス?」
「クリス君・・・」
「リコ、ごめん・・・。
シンだけには言ってもいいかな・・・?」
「クリス君・・・わたしは、
クリス君があの事を知られたくないだろうと思ったから・・・」
「え、そうだったの?
僕も君がそうなんじゃないかって・・・」
「一体、何の話をしている・・・?」
そうですよ!
シンさんの言う通り、本当に何の話ですか!?
早く教えてくださいよ、さあさあさあ・・・!
「あのね、シン・・・」
「・・・」
「僕とリコ・・・、
昨夜、その・・・、最後まで仲良くなって・・・」
「なっ・・・!」
何ですってえぇ――――――っ!?
確かリコさんって!
見た目は完璧に美少女ですけれど!
でも!
本当は、美少女ではありませんよね!?
じゃあ、つまりクリス君とリコさんは・・・。
・・・・・・
大きな声では言えないんですけど・・・、
言えないんですけど、わたし・・・、
こういうの、大!好!物!なんで―――す!!!!!
~~~~~~~~~~~~~~~~
――すみません、お見苦しいところを・・・。
あの後、クリス君たちは真剣に話し合ったそうです。
それで最終的に、
リコさんをパーティーに加えることになりました。
何でもシンさんの信用を得るために、
リコさん、自分のスキルまで教えたそうです。
顔に似合わず大胆な子ですね、
いろいろな意味で・・・。
わたしの目から見て、
戦闘面でリコさんが動けるのか心配ですが、
シンさんは、
「クリスと本気の関係なら、すぐに腕は磨かれる」
そう面白くなさそうに言っていました。
あれは、どういう意味なんでしょう・・・。
それと、もう一つ気になる事が・・・。
リコさんって、いったいどんな戦い方をするんでしょうね?
______________________
閲覧ありがとうございます!
そして・・・、
『クリス達のパーティーに正式に加入した男の娘リコ。
その戦闘スタイルは!?』
どうか、この先にあるコメント欄にて、
あなたの中に浮かんだアイデアをお贈りください!
簡単な一言で構いません!
『魔法主体』とか、『鞭攻撃』とか、『筋肉操作』とか・・・。
なるべく、この最新話を読まれただけで参加可能なお題にしましたので、
どうぞよろしくお願いします!
という言葉に、お答えいただき本当にありがとうございました!
最新話での新しいお題も、
どうぞよろしくお願いします!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます