概要
――いつか、もう一度あの庭で
国政に影から関与してきた女系の異能者一族である玖珂家の跡取り娘の迩千花は、直系唯一の女子でありながら日々親や一族、使用人からすら蔑まれ虐げられてきた。
理由は、迩千花が三年前の祭祀に失敗し、異能を失ったから。
そればかりではなく、それ以来祭っていた祭神もまた沈黙してしまっていた。
迩千花に次いで強い異能を有していた従妹の真結を旗頭とする分家・見瀬家の台頭を許した事もあり、迩千花は忌わしい役立たずとして扱われてきた。
大事に思うものは従妹により奪われ、愛してもどうせ失うからつらいだけ、全てを諦め生きていた迩千花は、ある日両親から非道な命令を下される。
それを拒否して逃げ出した先、何時も唯一の友と語らっていた彼岸花の庭にて嘆きの叫びをあげた時。
祠に封じられていた大きな力を持つ存在が嘆きに呼応し
理由は、迩千花が三年前の祭祀に失敗し、異能を失ったから。
そればかりではなく、それ以来祭っていた祭神もまた沈黙してしまっていた。
迩千花に次いで強い異能を有していた従妹の真結を旗頭とする分家・見瀬家の台頭を許した事もあり、迩千花は忌わしい役立たずとして扱われてきた。
大事に思うものは従妹により奪われ、愛してもどうせ失うからつらいだけ、全てを諦め生きていた迩千花は、ある日両親から非道な命令を下される。
それを拒否して逃げ出した先、何時も唯一の友と語らっていた彼岸花の庭にて嘆きの叫びをあげた時。
祠に封じられていた大きな力を持つ存在が嘆きに呼応し
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!咲き誇る彼岸花のごとく
異能を失った主人公の嘆きに呼応し、その存在は現れた。いとこにも両親にも散々な扱いを受けた不憫な彼女の前に現れたのは祟り神――けれど、それは美しく、そして主人公だけを愛してくれる。
時代にあった美しい文章で描かれるのは、愛か執着か、そして救いか。
堕ちてしまったものは最早戻れず、それでも得られるものはあったのだろうか。
咲き誇る彼岸花。彼岸か、悲願か。
この美しき彼岸花咲き誇る物語を、ぜひご一読いただきたい。
彼女の、そして取り巻くものたちの、辿り着く先。その行いによって救われないものがあるとしても、やはりこれは愛と救済と解放の物語であると勝手ながら思うのです。 - ★★★ Excellent!!!甘やかで絢爛たる恋愛草紙
ヒロインは、異能の一族の跡取りとして生まれたけれど、ある事件をきっかけに、人より強かった異能を一切失ってしまいます。
そして、まあ、性根の曲がり切った従姉妹からは虐められ、異能にしか興味がない両親からは、さんざんにあつかわれ、もう、本当に不憫。
そんなどん底のヒロインの前にあらわれたのは、見目麗しく、ヒロインだけを溺愛する祟り神。
とことんヒロインに甘いです!
美しい文章でつづられる、甘々の世界。うっとりです。
物語は、いくつかの謎をはらんでいます。
なぜ、ヒーローは祟り神となったのか。
曼珠沙華の花の精の謎。
ヒロインを守ろうとする兄が仄見せる、目に宿る狂気……。
ヒロインに意地悪…続きを読む