第37話それでは、はじめ

いや、待って本当に、、、

強者と戦うのも訓練だと、聞く耳を持ってもらえず道場中央にてヒカルと向かい合ってます。


勝てない相手とどう戦うか?

いや、そもそも戦いになるのか?


相手は幼なくとも個の武において天賦の才が有ると評される天才児。


対するは魔力、気力に才が有り、学深く思慮深い礼儀正しい秀才。


あっちなみに秀才評価はオリジナルクロエ君(士郎抜き)の評価です。


いや〜勝てないよね?

武に優れた天才児と、ガリ勉の秀才君が殴り合っても勝てないでしょ。

そもそもさ、ヒカルの奴クッソ早いんだよね。

目で追えない位早いんだよね。

スピードにまったくついていけないんだよね、僕。

スピードについていけないから、一方的にボコボコにされるだけ。

イヤだな、、、

一方的にボコボコにされるの、、、


今日の夕飯はなんだろうな〜?

昨日は魚だったから、今日はお肉かな〜?


現実逃避を始めていたら先生が声を掛けてきた。


「クロエ気負わずに全力を出し切って抵抗してみせろ。

ヒカル、わかってるな?」


抵抗w

わかってるってなにがだよw


「では二人とも構え。

それでは、はじめ。」


始まった。

ヒカルはやや俯き軽くステップを踏んでいる。

俯き?

そういえば、、、さっきからヒカルと目が合った覚えがないな。

いつもはお前猫じゃなくて犬だろ!って位まっすぐ人を見てくるのに。

ん、様子がおかしいってタツヤが言ってだけど本当だったのか?


っと、早い!

拳が飛んでくる。

軽い牽制なのか?まだ見える速度だ。

回避していく。

そのまま連撃がくる。

まだ牽制なのか?

まだ見える。

私にも見えるぞ。

蹴りも混じってきたがなんとか回避を続ける。

っヤバ!?

咄嗟に横に大きく飛んで避けた。

今避けた死角から拳がきてた。


体勢を立て直しヒカルを見る。

笑ってやがる。


格下を見て笑ってやがる。


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