第45話ヒカル6

まあこんなもんか。

今のクロの実力は大体わかった。


龍を宿して能力が跳ね上がったが、本人がそれについていけてねえ。

まずは上がった能力に慣れさせるところからかな?

まあそれはじっくりやればいいさ。


しかしそれなりの速さと威力だったんだが、けっこーついてこれてたし、今の時点でもカクは無理でもジロとならいい勝負になるんじね?

クロは武官志望だけど、弱っちいし、参謀とか頭使う方希望なんだと思ってたんだが、ちょっと楽しみになってきたな。


弱っちいと思ってた弟が強くなるか、、、


いい事だ。

兄貴としてキッチリ鍛えてやるからな、クロ。


でもまっ、今日の所はここまでだろ。

腕と肋、逝っちゃってるだろ?

ジロに声掛けて終わるかね。



、、、、あ?

なに、笑ってんの?

なにその目?

負けない、負けてないってのか?



……いいねえ、すげーいいよ。

なんつーか、あのクロが、頭でっかちで弱っちいクロが、根性見せてきた。


いい目だ。

負けてねえ、負けないって目だ。

ああわかるぜ、それは戦士の目だ。

誇り高き騎士の目だ。

いつだって命を賭けれる侍の目だ。


ああ、嬉しいねえ。

弟がいつのまにか闘う者の目をしてやがる。


腕はともかくさ、肋逝ってるだろ?

肋逝くとさ、呼吸するのもキツいだろ?

痛覚遮断や無呼吸闘法なんて、できやしないだろ?


でもお前はそんなんどうってことないって、そう言ってんだな?

痛みなんか関係ない。

自分はまだ負けてない。

かかってこいってそう言ってんだな?


ああ、嬉しいぜクロ。

弟がこんなに強くなってたんだな、嬉しいぜ。

嬉しい、楽しい。

いいぜ、いいぜ、クロ、実にいい目だ。

楽しいなあ、弟よ。


せっかく弟が根性見せてくれたんだ。

それに全力で答えてやるのが兄貴の務めってもんだろ?

少しだけだが俺の本来の力ってやつを見せてやるよ。

本気でやるとやりすぎになっちまうから加減はするがね。

さあて、クロ。

少しばかり本気をだすからよ

「死ぬなよ」






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る