第32話いただきます。

アサ達とお弁当を食べるために机を寄せているとタツヤがきた。

あれ?いつもはヒカルと食べているのに

珍しい。


「クロエ、僕も一緒にお昼たべていいかな?」

「僕らはかまいませんが、ヒカルはどうしたんですか?

いつもはヒカルと一緒でしょう?」


アサとヨルも不思議そうだ。

タツヤはヒカルにべったりというか、いつも一緒にいるイメージなんだが。


「それがね、今日ヒカル様子が変なんだ。

さっきも一緒にご飯食べようって誘ったのに、一人でお弁当持ってどこかに行っちゃたんだ。」


ふむ、気づかなかったな。

授業中は授業に集中しているから、ヒカルの様子には意識が向いていなかった。

あのヒカルの様子がおかしい?

なんだろう?

腹でも痛いのか?

でもそれなら弁当はおいてくか。

なんだろう?

悩みごとか?

あのヒカルに?

んーーわからん。

まあいいか。

考えてもわからない事はわからん。

それよりお弁当食べよう。

お腹がすきました。


「ヒカルの様子は気にはなりますが、とりあえずお昼にしましょう。

ヨル、少しつめてあげて下さい。

タツヤはそこに座って下さい。」

「はーい、タツヤ兄ちゃまこっちにどうぞ。」

「ヨルちゃん、ありがとう。」

「さて、それではご飯にしましょう。

龍神様、日々の糧をありがとうございます。

いただきます。」

「「「いただきます。」」」


ちなみにこの世界にもいただきますとご馳走さまでしたがある。

宗教も文化も違うのにふしぎだ。

他にも似ている部分や同じものもあったりする。

クロエ自身も前世の世界では存在しないものだしな。


クロエは外見は日本人に近い。

黒髪黒目で肌色も日本人に近い。

ただ額、髪の生え際に小さな角があることと、モフモフのシッポがある。

それがなければ日本人でつうじそうだ。


世界も人種もなにもかも、それこそ物理法則すら違いそうなのに、どこか似ていて違う。

異世界か、やっぱり不思議な事が多い。

それが不思議と思う事が士郎としての部分で当たり前に感じているのがクロエとしての部分なんだろうな。

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