第26話でっかいネコだな

足音が近づいてきた。

先生達が来られたようだ。


「アサ、ヨル。

先生が来たようです、ここまでにしましょう。」

「は〜い兄ちゃま、また後であそんでね。」「兄さま、ありがとうございました。

また後で遊んでくださいね。」

「ああ、二人共また後でね。」


二人が席に戻っていく。

さて授業だ。

授業は午前中は座学、午後からは武道になる。

これは文官志望か武官志望かで別れる。

文官志望なら1日座学が基本で、週二日だけ午後が武道になる。

午前中の座学は共通で午後から別れる形だ。

ちなみに僕は武官志望なので午後からは毎日武道になる。

武官志望は僕、ミツル姉さん、カク兄、ヒカルになる。

文官志望はアサヒ姉さん、キリハ兄、タツヤになる。

年下の3人は本人の志望も固まってないためどちらか好きな方に参加している。


先生達が入って来た。

座学のサトゥ先生と武道のジロ先生が一緒に入ってきたんだが、ジロ先生が肩にデカいネコを担いでいる。


訂正。

デカいネコじゃなくてヒカルだった。

ぐったりしたヒカルを肩に担いでいる。

ヒカルは虎の獣人だが、よくある人に虎耳が生えてるタイプじゃなくてがっつり虎だ。

ようするに見た目は二足歩行する虎というタイプの獣人だ。

まだ子供、しかもぐったりと伸びてる。

うん服を着た、でっかいネコだな。


そのままジロ先生がヒカルを席に置いている。

ヒカルはぐったりとしていて身動きひとつしないな。

さすがに心配しているのか隣の席のタツヤがオロオロしているが、僕を含め他の皆は平然としている。

まあ正直、ああまたか、というのが皆の本音だろう。


ヒカルはなんというか、ヤンチャ?というより無茶苦茶な事や無謀な事を平気でやる馬鹿。

怒られても懲りないし、虎なのに猪だし、無茶を無茶と思わずに突貫していく。

でも結局最後にはやり遂げたりするし、妙な愛嬌があったりで、なんというか…憎めないバカという感じか。

それにいつも巻き込まれるタツヤと共に、いつのまにか年下のはずの僕が色々と世話をしている。

僕がこの二人を呼び捨てにしてるのはそういう訳だ。

年上のはずなのに年下の三人より手がかかる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る