第23話頭を撫でる

ふ〜間にあったかな?


修練場に着き教室に入っていく。

幸いにもまだ先生は来られてないようだ。

教室に入っていくと左右からアサとヨルがひっついてきた。

「兄さま遅いです。」

「うん、兄ちゃまおそい。」

「アサもヨルもごめんね。

今朝は不覚にも寝過ごしてしまいまして。」

左右にひっつく二人の頭を撫でていく。

頭を撫でられ二人ともニコニコしている。

かわいいな。


教室内は畳敷で長机が並べてあり、それぞれの席には円座が敷かれている。

座っているカク兄の膝の上にユズが座り、向かい合わせに座っているキリハ兄とあやとりをしていた。

「キリハ兄、カク兄今朝はありがとう。」

二人に声をかける。

「うん、気にしなくていい。

皆で助け合うのがここでの生活であり修練の一部だ。

俺達もいつもクロエにはたすけられている。

同じことだ。」

「そうだよ〜皆で助け合うのは当たり前だよ〜。

でもクロが寝坊するなんて珍しいね〜

体調でも悪いのかい?」

「ん、クロ兄具合悪い?大丈夫?」

「体調は大丈夫ですよ。

むしろ普段より体の具合は良いくらいです。

実際に、今朝は獣道の方を駆け抜けてきましたし、体調はすこぶる良好です。」


そうなんだ、体調はすこぶる良い。

クロエは種族の関係もあり朝は苦手で、朝方は体が重く感じていたはずなんだがそれもない。

むしろ身体が軽く、クロエの記憶よりあきらかに身体能力が上がっているし、魔力や気力も上がってる。

今朝は普段クロエが通らない修練場までの獣道を駆け抜けて来たわけだが、全く問題がなかった。

訓練で獣道を駆け抜けることはあるが、こんなにスムーズに駆け抜けられた事はない。

障害も罠も全く問題にならなかった。

罠に関してはどこにどんな罠があるか?

見なくてもそこに罠があるのがわかったくらいだ。

これも覚醒した影響か?

身体能力と感覚がクロエの記憶と差があって戸惑う。


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