第22話山中を全力疾走中
県だ。
都道府県の県。
そういえばここがいかにバカっ広いがわかるだろう。
クロエの記憶と統合して、唖然としたし、正直頭おかしいんじゃないかと思う。
屋敷の敷地、、、というより自然豊かな山地を簡単に堀と塀で囲んで、屋敷の敷地だと言ってるだけに思えた。
さすがに、お屋敷は正門近くにある。
敷地の周辺は風祭が治める都市がひろがり、都市の中心部は正門近くになる。
ちなみに僕らが暮らす離れは門から離れた場所に点在している。
つまりかなりの山の中だ。
世話役の大人もいるとはいえ、山の中で子供達が共同生活。
前世ではなかなか無かった環境だな。
あとこの広さにも理由があるんだが、その理由がファンタジーだったよ。
なぜこの広大な敷地が必要なのか?
敷地の中央に祭場があるんだが、そこに年に数回風祭の守護神である風の龍神が降臨するからだ。
神の降臨。
その余波を漏らさないために、この広大な敷地が必要なのだそうだ。
余談だが神の降臨。
その儀式の際は流石に祭場周りの立ち入りは制限されるが、降臨した神は数日間祭場に留まる。
その間は敷地内は解放され、祭場周りは祭りの開場になる。
人々は直接神に参拝し、祭りを行い神を楽しませ歓待するというわけだ。
さらに余談の余談だがこの祭りの際に、正門以外の四方の門も解放される。
この解放された門を通り祭場まで辿り着く。
門から祭場まで、道を通らずに、道なき道を駆け抜けて祭場まで辿り着くと、風祭に仕官できるという伝統行事があったりする。
一般の祭りに参加する者は正門から。
仕官を望む者は他の門からだ。
門は文官用と武官用、一般職用にわかれている。
そして当然だがテストという名の振るい落しがある。
文官や一般職は山中を進みながら、何ヶ所かのチェックポイントでテストをうける。
文官や一般職はそれですむんだが、武官用は森や山中は警備と罠だらけになってたりもする。
そして僕は今罠だらけの山中を全力疾走中だったりする。
祭り以外の時は罠は解除しておいてほしい。
さすがに修練場があり、僕らのような子供が行き来するため、祭り用の全力の罠ではないとはいえ勘弁してほしい。
まあ、警備上この広い敷地を警備するには罠は常設、定期的に更新の方が効率がいいのはわかるが、、、
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