第42話ヒカル3

昼休みになった。

弁当を受け取って速攻で教室を飛び出した。

タツヤがなんか言ってたような気がするが後でいいや。


走りながら弁当をかっ込んでジロの所に走る。


「ジロ、クロを殴るんで戦わせろ!」



…殴られた

解せぬ。



通じてないのか?

チッ、やっぱジロは頭悪いな。

しゃーない、もっかい説明してやるか。


「クロが龍かもしれない!

だから殴らせろ!」



また殴られた

解せぬ。


「ヒカル君、クロエ君を殴りたいとはどういうことかね?

君が理由もなく殴りたがっているとは思えないんじゃが、儂らにもわかるように説明してもらえるかの?」


サトゥの爺さんが混ざってきたが、なんだよ爺さんもわかってないのか。

しょーがねーなー、爺さんにもわかる様に優しく説明してやるか。


「だからよ、クロエに龍が宿ったかもしんねーんだ。

でもまだはっきりしねー

だから俺様が殴ってみて確かめてやるって言ってんだ。」


「クロエ君に龍が宿った?

本当かねそれは⁈」

「まだわかんねーよ。

ただ匂いがしたんだよ。

だから俺にクロを殴らせろ」

「まだ龍が宿ったか、はっきりとしてはいないと。

しかしなぜクロエ君を殴る必要があるのかね?」


あん?なんだ爺さんもわかってないのか。


「だからよ、クロに龍が宿ったかもしんねーんだ。

龍が宿ったんなら確実にクロは強くなってる。

だから俺様が殴ってみるんだよ。

今までのクロだったら殴れる。

でも龍が宿ってんなら避けるだろ?

それで龍が宿ってんのか確かめるんだよ。」

「ふむ、乱暴な話だが、、、

ミツル君とはこの時間で連絡はとれんか。

しかし龍が宿ったなら大至急確認をし、お館さまにご報告せねばならん案件じゃが、、、」

「ジロ先生、至急確認が必要な案件じゃ。

ミツル君との連絡がとれん以上、ヒカル君の案は乱暴な話じゃが一考の価値はある。

儂はいったん屋敷に戻り、龍気の判別が付く者を連れてこよう。

儂が間に合わなかった時は、ジロ先生に判断をお任せする。

ただくれぐれもやりすぎんよう注意してくだされよ。」

「わかりました。

なに、やりすぎるようなら俺がヒカルをぶん殴ってとめますから、ご安心を。」

「うむ、頼みましたぞジロ先生。

ヒカル君もくれぐれもやりすぎんように。」


そう言って爺さん出て行ったが、これは殴ってよしってことだな。



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