第21話普段の行いの差じゃないですか?

「じゃあ先行ってるからな。

遅刻しないよう気をつけろよ。」

「遅刻はダメだけど、急いで食べて喉につまらせないでね。

さっ、みんな行くよ。」

キリハ兄とカク兄が下の子達を連れて出て行く。


とりあえず急いで朝食を食べてると、バタバタと足音がしてヒカルとタツヤが駆け込んできた。

「クロずるいぞ、一人だけ先に解放されるなんて」

「おはよ〜お腹空いた〜今日の朝ごはんなに〜」

「ヒカル、それは普段の行いの差じゃないですか?

大体ミツル姉さんも言ってましたが、昨夜寝る前に果実水をガバガバのんでたのはヒカルでしょう?

あれほど姉さん達に注意されてたのに。

自業自得です。

タツヤ時間もあまりありませんし、早く食べてしまいましょう。」

「そうだよーヒカルもタツヤも早く食べちゃって。

キリハ達は先に行ってるからねー。

クロも急いでよー。」

「すみません、アサヒ姉さん。

ほら、ヒカル、タツヤ、さっさと食べて修練に行きますよ。」

アサヒ姉さんに促され朝食の残りを片付けていく。


「ごちそうさまでした。」


食事を終え、片付けと準備を終え修練場にむかう。

「アサヒ姉さん、いってきます。」

姉さんに声をかけて食堂をあとにする。


さて、いそがないとな。

遅刻はダメ絶対。

社畜は始業前から仕事をするものです。


……だから僕はもう社畜じゃない。

だめだ、どうしても思考が社畜になってしまう。

この意識の切り替えも今後の課題だな。

脱社畜だ。


離れを出て修練場まで走って行く。

体に気力を張り巡らせ身体能力を強化していく。

気力と魔力。

気力は主に自分自身に作用し、身体能力を向上させる。

魔力は主に外に作用し、魔法などに変換される。

同時に魔力を使い体を回復させていく。

こうすれば身体強化をして全力疾走しても、疲労を軽減できる。

朝から疲れたくはないからね。


坂道を駆け上がり、獣道を駆け抜けていく。

いちおうここはお屋敷の敷地内なんだが、敷地内には山があり、修練場はその山の中にある。

いや正確には山だけじゃなく、森も川もある。

風祭のお屋敷、いや風祭をはじめとした四大貴族のお屋敷はとにかく敷地が広い。

前世でのちょっとした県位の広さがある。







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