第15話旅立ちの時

キャラメイク完了。

おっなんか聞こえてきた。

これはゲームのオープニング曲じゃないか。

おおテンション上げてくるな〜。

いよいよ旅立ちの時か。

光に包まれて、だんだん溶けていくようだ。


天使さんは、、、うん、まだイッチャってるね。

お礼を言いたかったんだが。

うーん、聞こえてるかな?


天使さんありがとう。

俺を転生させてくれて、本当にありがとう。

俺、異世界で頑張るよ。

英雄にはなりたくないけど、幸せにはなってみせるよ。

本当にありがとうな、天使さん。


あとなにか思い残す事は…

あぁ、お父さん、お母さん先立つ不幸をお許しください。

俺は異世界で5歳児に生まれ変わって幸せになりますw



……ダメだ、言ってて嘘くさい。


転生するんだ、ちょっと本音を言おう。

うん、正直言ってこの世界にはファックだったよ。

中指たてちゃうよ。

両親の顔なんかもう覚えてないよ。

借金残して蒸発しちゃったよ。

家族に対して良い思い出が無さすぎるよ。

借金のかたに悪い奴らにいいように使われてマエがついたよ。

まともな社会生活送れなかったよ。

社畜になる以外の選択肢がなさすぎだったよ。

早朝出社して最終で帰る生活だったよ。

3時間眠れたら上出来だったよ。

気がつきゃアラフォーになってたよ。

彼女いない歴年齢だったよ。

魔法使い卒業して賢者になりかかってたよ。

ゲームとラノベだけが現実を忘れさせてくれたよ。

オタ趣味だけが癒しだったよ。

気がつきゃ家で仕事してる間に死んじゃったよ。

最後は孤独死だよ。


言ってて悲しくなるよ。


だから、だから、今度は、今度こそは幸せになりたいんだよ。

このチャンスを掴んで、必ず幸せになるだー!



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