人狼はボードゲームから飛び出し、アンチユートピアファンタジーが始まる!
ミラーズホロウの人狼シリーズ01
人狼たちはボードゲームの世界から飛び出し、アンチユートピアファンタジーが幕を開ける!
「ミラーズシティの皆さん、おはようございます。昨日は平和な夜でした。人狼によって殺された犠牲者はいませんでした」
ミラーズシティでは毎朝「人狼による被害」のニュースが流れる。それは、この街では人狼は伝説の怪物ではなく、実在する人食いモンスターだからだ。
人狼は毎晩街中に出没して飽きるまで街の人たちを食い殺す。そして、この人狼に対抗できるのは神民、すなわち「聖職に就く市民」だけだった。
井千陽(ジン‧チェンヤン)と南宮樹(ナンゴン‧シュ)は外見上わずか十六歳の高校生だが、実際は神民である「ハンター」と「魔女」なのだ。二人は猟銃と血刃を武器に、闇の中、市民の安全を守っている。
井千陽は同級生である林若草(リン‧ルォツァオ)と互いにあまり面識がなかったが、ある日の夜、井千陽は人狼の襲撃から若草を救出後、二人は固い絆で結ばれるようになる。
神民による懸命な守護によってミラーズシティでは毎日平和な夜を迎えている。市民が毎日安心して寝ることができると思っていたのも束の間、狼王と名乗る男が大衆の前に現れて恐ろしい宣言をした。
「ミラーズシティは今日より正式に『人狼トゥーラーン』になる。我はこの地を支配する唯一の統治者なり。人狼は如何なる種族をも凌駕する最高の権利を手にした」
ミラーズホロウの人狼の物語が幕を開ける……。
白日は終わりを迎え、長い夜が始まる——市民の皆さん、目を閉じてください!