第35話 叔父さんの出発!

ベッドの上のリュックやトートバッグから品物を出して、眺めている。


「このリュックもアイテムBOXだって言っていたな、そしてトートバッグは魔道具を作る魔道具だって言ってた、でもこの中に戻しても何も変化は無いよな」

眺めていても、何も起きないのは当たり前、どうすれば良いのかわからない。

俺は首を捻ったり、目を瞑ったり、何かに変われと唱えたが何も変わらない。


「これは誰かに教えてもらわないとどうにもならないな、叔父さんの魔道具を使った時は何かを発射して、木に穴を開けたっけ? どうやったんだ」


その後も試行錯誤していたが何も起こらない。

少しして外からカネが鳴る、何故か外が騒がしいが何だろう。

僕は窓に近づき外を見る、下の方に人が沢山居るのが見える。

その中を馬車が走るのが見える、窓から叔父さんが手を人々に振っているのが見える。


「叔父さんは何処かに行くのだろうか?」

周りには騎士達が護衛している様だ、それに何かを巻いて、みんなが拾っている。


パレードかもしれないな、帰ったら聞いてみよう。

でもこれが生きた叔父さんを見た最後の姿だった。


そしてまたもや、試行錯誤していたが、どうにもならないので不貞寝して床で寝てしまった。


ーーーーーーーーーーーーーーー


「此処何処なの」

私は周りを見回す、すると起きた後輩が挨拶してくる。

「先輩おはようございます」

また一人起きてくる。

「ナオコ此処何よ」

「分からないわよ」

「ほら起きてミオ、変な所にいるわよ」

「アレおはよう、どうしたの?」


「どうしたのじゃ無いのよ、此処は何処よ確か車で首都高速に乗って、葛西の分岐であれ〜」

ナオコは震え出す。


「そう言えば、みんな足はある?」

「あるよ全員?」

メイはみんなの足元を見て報告する。


「ええとスマホスマホ、電源入れて、位置情報をダブルクリック」

ナオコはスマホを起動して位置を確認するが、また震えている。

「何処だって?」


「えぇと、わからない国の名前が出てきた、周り緑一色、少し縮小してさらに遠くを見るよ待って」

「本当に何処なの、日本なのかな」

「あっちに道で、街があるみたいよ!」

「なら歩きましょう」


四人の女達は歩き出す。

そして、道に出て歩き出すと、前から騎士が馬に乗りその真ん中を馬車が走ってくる。


そして私達の横を通り過ぎようとする馬車が止まる。

そして豪華な衣装を纏った年配の人が降りてくる。

「君達日本人か、もしかしてさだマサシって男の子を知っているかい?」


どうしよう、男の人の質問に素直に答えて良いのから、それとも何かアイツがやったから、同罪で捕まるの?


「あゝそんな警戒しなくて良いよ、知り合いなら保護しようとしただけだ」

「何を言っているの、いつもの事で保護するのでしょう、貴女達素直に答えてくれる、私達は先に行かないといけないからね」

今度は西洋美人の女の人が降りてきて、声をかけてくる。


「はい知ってますがただその〜」

「あゝ気にするな、どうせマサシを馬鹿にしたり振ったんだろう、それも加味して知り合いかと聞いてるんだ」


男の人は何もかも知ってるみたいだ、くそマサシめ!

「はいその様な知り合いです」

男の人は私にメダルみたいな物を渡してくる。


「ならこれをあげる、門番に見せて公爵邸に案内してもらってくれ、そこに彼がいる。それと絶対にあの街に行ってくれ、他に行って殺されたら目覚めが悪いからな!」


「そんなに脅して、逆に行かなくなるわよ、ヘンリー護衛してあげて、貴方は此処で同行解除よ、戻ってマサシくんとなるべくなら帝国に行きなさい、母のお願いです」

「でも母さん、俺も行くよ、分かって居るんだ危険な事はね」

「なら、マサシくんと帝国に行っても同じです、時の流れは早いのよ、一刻も早く帝国に行きなさい」

「分かりました、彼女達こちらに来て下さい、護衛してあの街に行きます」

私達は騎士さんの側に行き、道の脇に避ける。

「なら元気でな、マサシはこの世界ですごい男になる、顔を地面に付けて謝って許してもらえ、そうしないと、君達はこの世界を生きていく事が、凄く大変になるからな」

男の人と女の人は馬車に乗り、走り去る。


「では行きますかね、私の生まれた街までね」

騎士さんは馬を降り、一緒に歩いてくれる。

あの街にマサシが居て、私達が謝る、無理よね絶対に!

そんな事を考えながら歩いていく。
















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