第9話 奈落に落ちるチョビ髭!
俺を見つけるなり近寄ってくるチョビ髭。
「まだいたのか若造、売れなかったのかハハハ、もしも売れたならここには用はないだろから早く出ていけ」
俺を後ろに押して倒すチョビ髭、俺が倒れて「痛い」と叫んだ。
その声を聞いたスージーさんが、奥から現れた。
「ケイジさん大丈夫ですか」
「ええまあ、大丈夫です」
「モンドさん何をするのです、大事なお客さんを出て行けなどと暴言を!」
怒るスージーさんを見て、チョビ髭は反省などせずに、スージーさんに食ってかかる。
「そんな若造を守って、お前になんの特がある!」
「なら貴方は1ヶ月間、ギルドに出入り禁止です」
「ふざけるな、俺を誰だと思っているんだ! この領地の1番の商人だぞ!」
その言葉を聞いたスージーさんが言い放つ!
「さっきまでわね、生憎こちらのマーサーさんが、売り上げ予定1番とギルマスが言ってますよ」
「ギルマスがか? そんな嘘など大笑いだ、小娘が嘘をつくなそれになんだ予定1番て、そんな制度は此処には無い!」
喧騒を聞きつけて、奥からギルマス登場。
「さっきから五月蝿いのはモンドか何を騒いでいる?」
ギルマスはチョビ髭を睨む。
「この小娘が、そこに居る若造が今月の売上が、ギルドで一番手だと言っている。それも予定1番とな」
「あゝその事か、本当だよお前は金貨5000枚の売上だな。
マーサー殿、さっきの商品を見せてくれるか?」
俺はまたリュックからガラスのコップを出す。
「お前に見せるが、触るなよホレ見よ」
「うわー綺麗」
スージーが言うと周りの商人達も言ってくる。
「なんという商品だ」
「おおすごいな、国宝か」
「オークションで幾らの根がつく?」
「金貨10000枚は行くだろー」
「王族が見ればその倍は行くな!」
周りから景気のいい声が上がる。
「ケイジ殿、そう言うわけでこの品は預けとくれよ。
持っていては命と商品が危ないのでな」
全くギルマスは、商売が上手いな。
「分かりましたよ、よろしく」
「おお良かった、これで今回のオークションの目玉は、うちのギルドから出せる」
俺に頭を下げて来る、ぺこり。
「ケイジさんありがとうございます」
スージーも頭を下げて来る、ぺこり。
「おいモンドよ、お前はいつも売上1番で偉そうにしたが、此処にいるケイジ殿の方が上だ、さっきスージーが言った通りに、その方の商会と此処のギルドとは一ヶ月間は取引を禁じる」
ギルマスが強く言うと、チョビ髭は慌てて縋り付く。
「待て待てそれでは、うちの商会は商品を仕入れられない」
引き離すギルマス、そして最後通告。
「昔通りに馬車で買い付けに行ってこい、他所のギルドにも回状を回しとくよ!全てのギルドと1ヶ月間は取引停止じゃ!」
項垂れて膝をつくモンド商会長。
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