第17話 痴話喧嘩で捕まります!
言い争いの中で俺だけ歩いていると、突然女に呼び止められる。
「昨日の光のコップが、まだ手元にあるなら売ってください」
女の人は頭を下げてくる、ぺこり。
「いやもうないよ、全てオークション行きだからね」
「そんな事を言わずに売ってくださいよ、代金は前払いで払います」
困ったな、一個売ると、また騒動が始まるしな。
「悪いけどね、無いものは売れないよ」
そんな事を言っていたら、二人が側にくる。
「コラコラそこの女、うちの旦那に何を言ってるのよ」
「早々聞いていたわよ、無いものは売れないわ、何処か行きなさい!」
排除しようとする二人に、女は抗議をする。
「何よ貴女達は、私はこの国1番のカトレア商会会頭カトレアよ、貴女達こそ何処か行きなさい!
よく見ると貴女、商業ギルドの受付嬢ね、生意気な事を言うとギルマスに言って、ギルドを首にするから!」
女が言うとスージーが言い返す。
「上等よ、首に出来るなら首にしなさいよその代わりに、お宅の商会の護衛は、冒険者ギルドからは一人も出さないわよ」
その言葉を聞いたクリスティーヌが、スージーに言う。
「スージーその依頼は無理よ、ギルマスが認めないわ」
「いいからクリスティーヌ、ギルマスに言って来て! カトレア商会の仕事は全て受けないようにてね、これで王都に帰れ無いわよ!」
スージーは俺の前で仁王立ち。
「何を偉そうに言うのよ、大体が商業ギルドの受付嬢が、そんな事を出来るわけは無いわ、困るのは冒険者ギルドよね、冒険者ギルドの受付嬢さんそうよね」
少し不安になる商会会頭。
「カトレア商会会頭、もしかしたらそうなるかもしれません。
今の内に彼女と和解する事をお願いします」
クリスティーヌは会頭に頭を下げるぺこり。
「クリスティーヌ、カトレア商会は絶対に許さない、ケイジさんもそうよね」
俺に降るんかスージーさん。
「俺、うーんどうしようか?」
そんな事を考えていると、この騒動で衛兵が集まって来てしまった。
「お前たち、何してる」
みんなが衛兵に捕まり、近くの詰所に連れて行かれた。
詰所で事情聴取を受ける俺たちだが、色々と大変の様だ。
「お父さんを呼んで来て」
スージーが言い。
「お母様を呼んで来て下さい」
クリスティーヌも言っている。
「うちの副会頭を呼んで」
会頭は唯一マトモな答えを言っているけどね。
衛兵達はヒソヒソ話。
(お前はなんて人達を連れてくるんだ!商業ギルドの娘と冒険者ギルドの娘に、それにカトレア商会会頭て、どう決着つけるんだ)
隊長の言葉に部下は言う。
(でも隊長、往来で痴話喧嘩してたんですよ、刃傷沙汰にでもなったら領主様に報告が行きますよ、責任は絶対に私達に来ます)
(だから商業ギルドの娘は領主の娘だ、それを捕まえた時点で俺たちの失態になるんだ)
(どうすれば良かったんです?)
(俺に聞くな、取り敢えず彼女達は保釈しろ、今直ぐだ)
(男の方はどうしますか?)
(2・3日止めとけ、そいつが原因だろー)
俺の保釈は、当分され無いらしい。
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