第25話 令和の時代
コロナの騒動も終わって、みんなが買い物や遊びや旅行を、やっと楽しめる事となったのに。
「アンタ何様この冬空に、夢の国でデートって並んでる間に凍死よ、凍死、馬鹿じゃ無いの!」
「本当、温かい所で2人でいるのが、デートじゃ無いの先輩!」
「少なくとも、温かい高級なレストランで食事よね、個室ならコロナも怖く無い」
「アンタは食事ぐらいしか脳が無いのに、デートなんて100年速い、死ね」
オイオイそこまで言うのかよ、初めてデートに誘っただけなのに
ここは夢と魔法の王国の最寄駅前ロータリー
いつも夕飯を奢って、やっとデートに誘って、ウキウキで来たのに
女友達四人で俺を罵倒かよ!更にデートに誘った後輩は、更に落ち込む事を投げかける。
「それと明日からもう近づかないでね、ご飯だけはおいしかったよ先輩。
跡このチケットは貰って上げる、バイバイ!」
「よしそれを、金券ショップで売って夕飯ね!」
嘘だろー、年間チケット買って一緒に行くて言っていたのに、何だよその仕打ちはよ! 俺1人で行くのか? それは詐欺だろー!
アイツらの言った事を思い出しながら、俺は1人で夢の国に向かって歩く。
2月の平日、コロナで観光客も学生達も居ない。
親に聞いたら、ここが出来た40年ぐらい前は2月の寒い日に行けば
行列なんて無い、30分でジェットコースターは乗り放題だぞ!
「隣女の子でも居れば勝手に抱きついてくる、寒いからなハハハ
それがお前の母さんだハハハ」
確かに居ないよ、隣に居るはずの彼女も居ないよ(涙目)
身体が寒いよ、心も凍るよ。
ただひたすら園内を回りお土産を買って行く。
レストランに入ればやけ食い、道を歩けばチ○○スのやけ食い
背中にリュック前にもリュック両肩にもリュック、手にはトートバックが色とりどりと腕を占領している。
頭には各カチューシャ、魔法の帽子と思ったらクッションだった。
更に記念の限定Tシャツ、コスプレ衣装、ガラスの靴!
お金が続く限り、お土産を買う。
「二度と誰かを誘わない!」
疲れた、ベンチに座り休息、通り過ぎる人達を見る
前もカップル右もカップル左もカップル、(ふー羨ましい)
そんな目で俺を見ないで、穴が有ったら入りたいぞ!
俺の朝は幸せだった、あの車が来るまで、あーあやってられない
帰るか、最後に川下りにでも乗って写真撮って貰おう
(きっとその時だけでも笑顔で写れよ)
流石に冬に川下りは無いな、人の並びも少ない!
順番が来た、係員が荷物を預ける様に言うが無視
周りがドン引いて離れて行く、
係の人は仕方なしに、乗せてくれるが、誰一人丸太に乗らない
ここに来て彼女が居れば、貸切幸せ200%なのにな、女神様お願いします。
1人なら惨めに貸切絶不幸200%なのだ!
丸太は走り出す、俺1人を乗せて暗闇に
流れ流れて最後の急降下、光った、写った、外だ?
えっ何処ここ?
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「見たあの顔、笑ちゃたハハハ」
「駄目よ言わないでハハハ」
「そのチケット売って、美味しい物でも食べようよ!」
「そうね、新宿でも行こうか」
「よし行こう、飛ばすね」
ドン、
「うーう、事故った」
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