水と光の森

震災から１５年目の２０２６年、世界は再び新型ウィルスによるパンデミックに見舞われていた。小６で被災した大須賀沙希（おおすかさき）は、失った母の後を継ぎ、新米看護師として聖マリア病院に務め始めた矢先だった。緊急事態をどうにか凌ぐ日々が続くなか、沙希は１５年前にふとした事件から親しくなった同級生佐藤貴宏（さとうたかひろ）と再会を果たす。地味で陰キャだった貴宏は見違えるように垢抜けて、ハンサムな外科医へと変身を遂げていた。１５年越しの沙希への想いを成就しようとチャンスを窺う貴宏をよそに、ある日、沙希の前に、あの日、失われたはずの初恋の人が姿を現す。１５年の間、封印されていた想いが蘇る沙希。しかし、彼女には罪の意識にまみれたある秘密があった…。