Vtuberとしてのデビューをかけたオーディション番組『ミラステ!〜Vtuberスター発掘オーディションGirl's Edition vol.1〜』
この物語は、瀬戸愛津(Vtuber名:藍瀬アイラ)は、零細配信者として地道に活動を続ける27歳が、かつて自分が憧れたVtuberのように、人々を楽しませ心に残る存在になるという夢を追いかけるためにオーディションに挑む、サクセスストーリーである。
テレビやネット配信で人気の公開オーディション番組を、小説として描くというなかなか難しいことをされているなぁと。しかし作者さまの表現力の高さから、目の前で番組を観ているような気分になり、主人公が最後にちゃんと夢を掴めるのかどうか見守りたくなるような感覚を味わえました。
やはり周りがハイレベルスタートはいいです。最初から才能溢れていて絶対受かるだろう、という人物よりも、困難の中どんどん成長していくのが視聴者としては楽しめますからね。
この物語のつづきこそが本編だと思っておりますので、ぜひともそちらも読んでみたい。今後の展開が期待できる、おすすめの作品です。
周囲の若い伸びしろあるVとは異なり、アラサーという年齢面のネックや埋没しがちな部分の強い「歌」という自分の強みなど、逆転劇を見せるには若干武器の少なさが否めない主人公。
奇を衒った奇抜さとは真逆の真面目で実直な雰囲気も、埋没しがちな要素としてなかなか伝わりにくい要素で、出だしはかなり躓いたものとなってしまいます。
しかし、「個」としては弱い彼女も「チーム」となった際は、年齢からくる経験値を生かした立ち回りを披露できて、本人ですら知りえなかった「個性」として昇華し、会得されます。
果たして、輝かしいポジションの争奪戦に彼女は生き残ることができるのか。
結末とその理由を是非ご覧ください。