異種族師弟の密かな日常

　冒険者をやめて、郊外の一軒家で日がな研究を過ごして生活している魔法使いのフェイガウス・マービン。
　穏やかな日々を過ごしていたある日。自宅の周りに張った結界魔法が警告を鳴らした。結界内で行き倒れていたのはサキュバスのルゥ。魔物であるルゥを迷いながらも保護したフェイは、ルゥの世話を焼くことに。行き倒れていたものをそのまま送り出すのは忍びなく、フェイはルゥとともに生活することに決める。
　人間の生活について教えながら、ルゥと穏やかな日々を過ごしていたフェイだが、あるときルゥが倒れてしまった。サキュバスであるルゥには人間の体液が必要。フェイは自らのそれを分け与え、ルゥの命を救った。
　そうしてフェイとルゥは、研究に費やす種族を越えた師弟として、穏やかな生活を送っていく。