【完結】なぜ桜の下で人は死ぬのか・・・
湖上署は琵琶湖に浮かぶ警察船「湖国」にある。その捜査課の佐川刑事は静岡県警から派遣された山形響子警部補に協力して、浜松の桜の下で起きた殺人事件の容疑者を追うことになった。被害者は青山翔太、容疑者は香島良一でいずれも日輝高校の同級生だった。
山形警部補は香島の恋人の日比野香を尾行して三井寺にいるとのことだった。佐川がそこに向かうと、桜の木に手錠でつながれて失神した彼女を発見した。彼女は尾行途中で香島に襲われたという。そして日比野香は桜咲く琵琶湖疎水に浮かぶ舟の中で刺殺体として見つかった。またその前夜、彦根城で長良渡が刺殺されていたことを知る。彼も28歳で日輝高校のOBだった。佐川と山形警部補は捜査1課の捜査に加われず、2人で独自で捜査することにした。その矢先、石山寺の桜の下で28歳の立川みどりが殺された。
佐川は日輝高校で名簿を手に入れ、日比野香以外の被害者が日輝高校の軽音楽部のOBだったことを知る。そしてその後もOBの村田葵の死体が海津大崎で見つかり、甲賀の鮎河でOBの浜口大和が殺された。彼らは11年前、びわ湖バレイに花見に行っていた。その時、日比野香の妹、舞子が失踪したという。佐川は、舞子の恋人だった香島が彼女が殺されたことを知って犯行に及んだと考えた。そして部長だった平塚響子は実は山形警部補であることが判明する。佐川は彼女が狙われると考えて監視していたところ、香島が現れて逮捕することができた。
山形警部補から事情を聞こうとしたが姿をくらました。しかも花見に参加した残りの4人も連絡が取れなくなった。佐川は山形警部補が口封じするのではないかと考えて、びわ湖バレイに向かった。そこでは4人が桜の木の下に埋めた舞子の骨を掘り出していた。その4人を彼女は射殺しようとしたが、それは復讐のためだった。実は彼女は山形警部補ではなく日比野香が入れ替わっていたのだ。佐川はそれを止めようと彼女に拳銃を向けた。