トワイライト・オブ・エデン

この世界での死は、死ではない――。

人間を寿命による死以外から解放したのは、女神リュテイアの加護によるものであった。
死した者は皆オーバルと呼ばれる宝玉に代わり、その宝玉を教会に持っていけば、死者は蘇生される。そしてそれは、主人公・リアナのいるランクロワ王国も同様だった。

ランクロワ王国の王都シルアスに存在する学園――ランクロワ王立学園の新入生は、一人前の貴族になるためのイニシエーションとして、精霊召喚の儀と呼ばれる儀式を受けなければならない。

この儀式によって召喚された精霊は召喚主の生涯のパートナーとして、また貴族の評価の指標として扱われるからだ。

それほどまでに重要視されている儀式に臨んだ結果、リアナが召喚したのは――そこらへんの道にでも落ちていそうな石こ…続きを読む