第39話 因縁
ルナティア様は着やせするタイプだからなぁ。と
にやにやしているバーボン様。
いい!みなまで言うな。ここに居るのは俺とお前、
そして酔いつぶれているルナティアだ。
こうなったらこいつは絶対に起きない。保証する。
コルン、感じろ。目を閉じ、感じるのだ。
そしてルナティア様の背中を強く押す。
感じます、バーボン様。これが「あれ」なんですね。
そうだ、これが「あれ」だ。
今この瞬間、お前は前人未到の事をやっている。
そう!青の国の皇女の「おっぱい」を!
その背中で!だれもやったことのない!いや!
誰も感じたことのないルナティア様の
「おっぱい」をその背で受け止めているのだ!
・・・あ、俺はあるが。とバーボン様。
もう一度背負いなおせ!そして感じろ!
今、この瞬間を!と熱く語るバーボン様。
私は小物だ。そんなこと・・・・。
で、でも、指揮官様のいう事なので。
仕方なしに背負いなおす。
至福。
そうこうしていると秘密の通路の入り口。
進んでいくと用水路っぽい所だった。
結構長い。かれこれ30分は
「おっぱい」を感じている。いや違う、歩いている。
そして、なんか石作りの所に出た。
バーボン様も歩き疲れているようで息が荒い。
歳だな、息切れをしてしまう。とバーボン様。
そしてさらに歩くと、なんか
沢山の小部屋がある所に。その小部屋はドアはなく
鉄格子になっている。
やっとここか。とバーボン様。
ちょっと休憩。ともいう。
ここはな、青の国の牢獄だ。
城の中からはここを通って外に出る。
まぁ逆に歩いてきたところだな。と。
もうはぁはぁと、言いながらバーボン様。
なんか疲れたな。お前も重いだろう。
ってか、なんで俺たちが
こんな苦労をしてるんだよ。なんかイラつく。
・・・よし。
もうメンドクサイからここに置いて行こう。
ルナティアを。と。
早く帰って寝たいし。とも言う。
そう言うと私から「おっぱい」いや、皇女様を
受け取ると鍵のかかってない鉄格子を開け
中に入れた。
「お、いいのあるじゃん。これ付けとくか」と
なんか鎖のついた物をルナティア様の腕に填める。
そして、これはすげえな!これもつけるか!と
鉄球のついた鎖を足に填めた・・・。
もうあれだ、ここまできたら布で口を塞いでおこう。
死にはしないだろう、神だし。
監禁されている皇女様。・・・うける。
とバーボン様。けけけけけ、と笑っていた。
歩きながらバーボン様は私に言った。
大人の階段上ったな、コルン。と。
えぇ、2段、いや3段飛びしました。
大人の階段を。と私。
私は今日の出来事を一生忘れないだろう。
いや、牢屋に閉じ込めたのは忘れたい。
そして朝を迎える。
控室に居る私達。
なにか場内が騒然としている。
・・・そりゃそうだ。
バーボン様は他人事のように
なんかあったのかな、こんな大事な日に。と。
勇樹、準備は出来ているか?ともバーボン様は言う。
「なにかあったんですかね?」と勇樹君。
「さぁ?俺たちは俺たちの役目を果たすまでだ」
「そう、俺たちは金を借りに来ただけだ。」
と返えすバーボン様。
何やら偉そうな人がやってきて
「少し問題が発生いたしまして。
もう少々お待ちください」と言ってきた。
よく見ると親父だった・・・。
「コルン!お前こんなとこで何やってるんだ」
とも言う。
「コルンは私達の大切な仲間です。
今後、紫の国の重要な役割を担ってもらいます」
とバーボン様。
親父は訳わかんねえ、という顔で私を見て
「と、とりあえず、もう少し時間を戴きたい」と
言って部屋を出て行った。
小一時間ほど待たされる。
バーボン様がイライラし始めている。
「めんどくせえ、いくぞ勇樹。謁見の間だ」
バーボン様の一言で全員が動き出す。
騒然としている中、私達は強引に謁見の間に入る。
既に黄、赤の国の使節団は席に座っていた。
「いつまで待たせるのだ、これが青の国のやり方か。
ちょっと私が居ない間にひどい体たらくだな!」と
バーボン様は言う。
「も、もう少々お待ちください。ルナティア様の
準備が、準備が遅れていまして・・・」と
親父とは違う文官が言う。
「なめてんのか?勝手に人の国に戦争を
吹っ掛けておいて。そして呼び出しておいてこれか!
この国つぶすぞ!」
とバーボン様。
・・・いえ、勝手に来たのは私達です。それに
無理です。逆に秒で潰されます、私達が。
しかしその時、近衛兵らしき者が入ってきて
慌てながら声を上げる。
「皇女様、入られます!」と。
そして我々の前に皇女様が現れる。
そこに現れたのは「元」皇女様だった。
皇女マルチネは椅子に座ると
「久しぶりね、バーボン。どうやら私は
爆睡をかましていたみたいね。あははは」と・・・。
「これはこれは、マルチネ様、まさかお目覚めとは。
お元気そうで何よりです。睡眠大事ですからね」と
バーボン様。
「いい加減にせんか!バーボン!先ほどから何たる態度!
軍の元指揮官ごときが無礼だぞ!」と
横に立っている文官らしき人。
「これはこれは政務長官殿。いらっしゃったとわ。
影が薄すぎて見えていませんでした。
あぁ、そうでしたね、昔から陰でこそこそやってるから
薄いんでしょう、影が。・・・カゲだけに。」
と爆笑するバーボン様。
バーボン様・・・笑えません、笑えるけど笑えません。
皇女マルチネ様がご復活されてよかったですねぇ、
これで懐と立場は安泰だ。
とでも思っているのか?このクソ野郎。
「い、いまなんと!捕らえよ!バーボンを捕らえよ!
元コソ泥ごときが図に乗りおって!
さっさと捕らえぬか!」と政務官長。
絶対この二人、昔なんかあったな・・・・。と思う私。
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