第8話 そして黄の国
場所は結構前の クレマンの村
「なぁ。これどうするんだ・・・」とウゾ。
「どうしようか。でもこれなんかかっこいいよね」
とソミュール。
「そうだ、なんかアレっぽくしよう」とファルツ。
「アレっぽくってどれっぽくだよ」とウゾ。
そういうとファルツは抜け殻の、・・・いや、
普通のユキちゃんをすごい装飾のある大きめの箱に寝かした。
そしてふたを閉める。
その上になんかかっこいい模様の布をかぶせた。
「なんか伝説のゴーレムっぽくね?」とファルツ。
「よし、隠そう。」とソミュール。
「隠すのか・・・まぁ隠した方がカッコいいな」とウゾ。
「でもさ、ベルジュラック様がコルンに似た
少しお馬鹿さんな精霊宿すって言ってなかった?」
とファルツ。
「じゃあなおさら隠してた方がいいじゃない」とソミュール。
「だな」とウゾ。
そして3人がどこに隠すかを相談して、そして決まった。
3人はその箱を持ってどっかに行ってしまった。
途中ソミュールが振り返りつぶやく。
「出番これだけ?」
「えぇ、これだけです」と作者な私。
場所は 緑の自治区から北側の国境近く 現在
「2日間もイベント無しね・・・」と美香さん。
「村人・・・というより村もないし」と勇樹君。
そりゃそうです。人目に付かない所をわざと走ってます。
「でも、もうすぐ緑の自治区を抜けて黄の国との国境です」
と私が言うと「結構早かったわね」と美香さん。
私は説明した。
黄の国の首都は結構北端にあります。青の国との国境から
寄り道をするので2週間ほどかかります。
今度は青の国での移動とは違い、
大きめの街を点に首都を目指します。
「何故に?」と美香さん。
「なるほどねぇ」と、何か感づいた勇樹君。
青の国では地理に詳しいコルンが居たから何もなく
それほど強い魔獣に会わず安全にここまで来れた。
(いや、会ってたんですよ?強い魔獣。道中も沢山。)
とコルンは心の中で呟いた。
しかし黄の国の地理にはあまり詳しくないので
街伝いに行った方が安全だからだ。
「大体あってます」と私は言うと続けて
黄の国は商業の国です。商人たちがこの大陸全土から集まります。
情報収集としては持って来いです。
「でも素性の知れない私達に色々教えるかな」と勇樹君。
「そこは大丈夫です」と私は言うと、続けて
この国は金です。金でほぼすべて買えます。勿論情報も。
そして私達は洞窟や道中倒した魔獣の核も結構持っています。
それを土産にすれば問題ないでしょう。
ついでに黄の国の政治体型も少し教えた。
各街ごとに投票で選ばれた者たち数十名、合計数百名がさらに
投票し100名の下議会員を決めます。
その議会員がさらに投票し13人の上議会員を決めます。
その13人がこの国の政治を決めていきます。
「うわ、どう見ても金が飛び交うね」と勇樹君。
「正解です」と私。
可能性ですが私の家の名前が役に立つかもしれません。
だって、青の国の文官の息子ですよ?私。
金の匂いがするでしょ?
「でも俺たちがここに居るってバレるんじゃない?」と勇樹君。
「多分もうバレてるわよ」と美香さん。
私も頷いた。
「ここまでうまく行き過ぎです。洞窟でも影の薄い人も
私たちの事を聞いていましたし。多分その影の薄い人、
今頃職失ってますよ。
私達を付け回しているって言ってるようなものです」
と私は付け加えた。
「兎に角、観察されているってことね。
じゃあ、私の存在とかもバレてるかもね」と美香さん。
私は考えを話した。
かもじゃありません、バレてるでしょう。確実に。そして
勇樹君。異世界から美香さんが連れてきた誰かとして。
でも確定じゃないと思います。だから観察してると思います。
返り討ちに会う可能性が高いので。
異世界から来た人は総じてすごい力や能力を持っています。
そう、美香さんのお父さん、バーボン様のように。
「え?お父さんって異世界人。
・・いやあっちの世界の人だったの?」と驚く美香さん。
「言ってませんでしたっけ、バーボン様は異世界からの転移者です」
まじか・・・と驚く二人。
「ジェニエーベルって思わない?」と勇樹君。
私は続ける。
「一緒に行方不明になったミネルヴァ様が居ません。
だから確定になっていないと思います」
「なるほど、私があっちから連れてきた誰か。なのね」
と美香さん。
しかしこの時、私は知らなかった。
すでにルナティア様の手の上で遊ばれている事を。
少し馬車を走らせると国境の検問所に着いた。
私は青の国からの滞在依頼書と身分証を見せた。
その後ろの二人は?と聞かれ「私の下級使用人です。」
と言ったが警備員は難しい顔をし
「身分証はないの?」と聞いてきた。
「ちょっといろいろ事情がありまして・・・」と
美香さんを親指で指しながら金貨を2枚渡した。
「私少し変な性癖がありまして・・・」と続けて言い
勇樹君をちらっと見た。
警備員はニヤニヤしながら金貨を受け取り
すんなりと通してくれた。
「や、やるわね・・コルン。だからこんなボロを着させたのね」
と美香さん。
「な、なあ、変な性癖ってどんな・・・・いや聞かない事にする」
と、ピッチりした服を着た勇樹君は頭を抱えた。
「少し走れば一番近い街のキアンティです。
まだ明るいですが今日はそこで宿を取りましょう。」
と私は笑いながら言った。
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