第30話 出発

バーボン様は黄の国の外交管理局へ行くと

一通の手紙を渡した。


「これを議会の人たちに渡してくれないか」と。

「多分喜んでくれる」とも付け加えた。


ドウロいるだろ?これを青の国に届けて。

と、こちらにも1通の手紙。


バーボン様は屋敷に帰ると金目の物を美香さんの

アイテムボックスへどんどん入れる。

美香さんも金目の物をどんどん入れる。


「あぁ、親子だなぁ。親子っていいなぁ」と

私は癒された。


そんなわけあるかい!と

そ、そういうことしていいんですかね・・・。


と問いかけると、バーボン様は

「隣の部屋に異世界へのつながりや転移魔法、

 そのほか沢山の秘蔵の書物があるぞ」と言った。


私は美香さんの腕をつかみ、強引に隣の部屋に行き

目についた書物をどんどん入れる。


「あぁ、仲間っていいなぁ」と

私は癒された。


今日は夕方に庭でバーベキューをしようと

バーボン様は言った。

「バーベキューとは?」と私が問いかけると

バーボン様は

肉を焼く、食う、ビールを飲む、そして笑うだ。

と真剣な顔で言った。


どうやら異世界居酒屋ファンタジーとなるのを

作者が恐れ、バーベキューにしたのでは?と

勘ぐってしまった。作者も反省してるらしい。


そして夕刻。

こういった時、そう、昼飯時、夕飯時に

一番輝くのが勇樹君である。


皆で肉を焼き、ワイワイと各自自由にしていると


「おい!リアス!なめてんのか!ああぁ!?

 まだ焼けてないだろうがっ!」と怒号。


「美香さん、ホワイトラビットの肉ばかりはダメだ!

 野菜だ!肉、肉、野菜、肉、野菜の順は守ってもらう!」

と美香さんに指示。


「わ、わかった・・・ごめん」と美香さん。

美香さんが謝る所を初めて見た瞬間。


「バーボン様、師事するとは言ったが反論はする。

 それは焼きすぎだ、ダメだ、経験が浅いとしか

 言わざるを得ない」


「す、すまん」とバーボン様。


「コルン!焼けたぞ!食え!」と言われ私は

勇樹君の持ってきた「マキシ〇ム」と言う調味料をかけた。


「さすがだ、コルン。それでこそだ」と褒められた。


「いいか!みんな!」と勇樹君は言うと20分ほど

1人で喋っていたので私達は無視して肉を食べた。


そしてみんなでプロージット。

みんな笑顔。


と、いう事を2日間いたしました。

勿論、夕刻まではバーボン様の指示で

色々な買い物をした。


その中で「ジヴァニアのその包丁を作ったのは誰だ?」と

娘に言うとカクカクシカジカ、うんぬんかんぬんと

美香さんは言うと「連れて行こう、そいつ」と言い

執事を呼んで何やら、ごにょごにょ言っている。


執事は一礼し、どこか行った。


「ジヴァニア、バイクを見てやる。ジェニエーベルの

 バイクも見てやるよ」とバーボン様。


多分、一つの精霊ではバイクは動かないな。とバーボン様。

続けて、美香さんからタクトを渡されると

精霊統合を始める。


ここの部分に火の精霊。ここは風な。そんでここは土。

そして最後に、この場所に水。


今統合したのは全部低級なので司令塔の上級精霊の

インペラートルをここの部分。


と見たことのない金色の精霊が呼び出され、握り手の

針が動く所の中に統合させた。

インペラートルとは?と私。


「なんだ、コルン君、知らないのか。やれやれだな」

と、なんかにニヤついた顔で言われた。


雷属性だ。水と風の精霊を合体して作るんだ。

合体とは聞いたことがない。ワクワクしながら聞くと


この世界では合体と言う発想がない。と言うかなかった。

各精霊はその個体で完成である。

考え方として、人間に人間を取り込ませる・・・違うな。


混ぜる。

な?そんなこと考えないだろ?

精霊も同じだ。そんな事は考えない。

でもな、向こうの世界では

まぁアニメとかラノベだが、あるんだよ。


統合はあるよな?魂を持たないものに精霊を

「乗り写す」ってやつだ。そんで、合体を、

それをやったら出来たんだよ、おれ天才だから。


しかし、光と闇が出来ないんだよなぁ。比率かなぁ。

ともつぶやいた。


ふと美香さんを見ると凄く目を輝かせていた。

「お父さん、がんばって」と鼻息荒く言った。


「わかった、俺のライフワークにする」とバーボンさん。


私はもうワクワクが止まらなかった。この人は

何者なのだ・・・。あ、転移者か。

私も村に残って一緒に居たいなぁ・・・。と思う。


美香さんが突然

「コルンも村に残ってお父さんに色々教えてもらえば?」

という。

多分私が凄く残念そうな顔をしていたのを見ていたと思う。

「私は大丈夫。あ、そうだ、ソミュールでも連れて行くわ」

とも続けた。


「男性か?」とバーボンさん。

「いや、女性よ」と美香さん。


「それでいい。それがいい。」とバーボンさん、

そして笑顔。


と、いうのが2日目、バーベキューの前の話。


色々準備しながら、あ、バーベキューもしながら

4日がたった。


勇樹君のご指導の元、肉を焼く。そして乾杯。

そこには何故か日用雑貨屋の店主と職人が居た。


「金の匂いがするので話に乗った」

と店主。

「労働環境がとてもいいと聞いたので話に乗った」

と職人。


全員でプロージット。そして各々雑談しながら肉を食う。


「す、すみません。お取込みの最中に」となにか

使いっ走りの様な役人の様な人が来て言う。


「バーボン様、議員全員がご納得されました。

 お名残り惜しいですが、とも言われていました」

と。そう言うとそそくさと帰っていった。


「許可も出たみたいだし明日の朝、村に出発しよう」

とバーボン様は言うと

全員、一瞬動きが止まり真顔になる。


「よし、乾杯だ。」と勇樹君。

私達はそれぞれの思いを胸に乾杯した。


そして翌朝、屋敷の前に集合した。

馬車は2台準備してあった。

美香さんもソミュールに話をする為に村へ同行する。


そしてバーボンさんが出発の号令をかける。

「全員いるな?」

「全員貰えるものは貰ったか?」

「全員盗るものは取ったか?」


全員「盗った~」と笑顔。



「よし!出発だ!」




































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